『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「もう少し後の方が良かったかもしれない!
混み合ってる所悪かったね、
それじゃあ達者でなロビーの諸君〜〜〜」
ひらりと手を振って出ていった。
>>17179
「……」
「私めだって、私めがこの空間において特別である必要性は見出すつもりはなかったんです。
ただ、特別でもない集団の1人から必要な人材を見出すべきだった。脱出するまでに全員が不和を起こさず、統率されるための、
誰もが特別な存在に思える虚栄を持った指導者が……」
「でも、立て続けに起こることに、過ぎていく時間の早さに私めは見出すのを諦めざるを得なかったんですよ。
だから……ッ特別でもなんでもない自分の、口車で、ですが、やはり私めの言葉に
猫にとって、よく聞きなれた声色で
抑揚で、言葉遣いで
……いつもとおんなじ、しずくさん
「戻っ……て……」
いや、それより先に言うのは
「……おかえり、しずくさん……っ」
込み上げてくる思いが、言葉を邪魔しましたが
それでも、どうにか絞り出して
「ごめん……ごめんなっ……!」
「ずっと間違えてたんだ……!」
「優しい自分がどう見られてるかなんてっ……」
「自分がどうあるべきかなんてっ……そんな小賢しい事考えなくっても……」
「助けたいが先で良いんだッ!」
「それで……それで最初から合ってたんだよ……」
「おっと、丁度いいな。
何、今し方戻ってきた人間クンに……
『貰った分、誰かに分け与えてくれると嬉しい』
……そう言われてた分なだけさ。以上契約は終わり、後はよろしくやってくれ」
「………おか、えり。………綿積さん。」
かけよってきてくれた、手が、声が。
………嬉しくて。安心して。抑えてたものが、溢れだした。
「も、もう足りるってばあ………」
悪魔さんに貰った布もついでに使って、ぎゅうと押し止めようと。そこに。
「………!!!」
「わた、っ、!」
『資源倉庫への追加資源を配置しました』
……別に良いんだけどさ。
人が自分の言葉の意図通りに動くと思ったら、違うからな?
コンテキくんが一人だけなんか特別ならさておき、一緒に閉じこもってる一人なんだから。
(一緒だぞーと、死体達を抱き寄せて言ってる。少なくともそれらとは命の有無は違うが)
聞かれるだけで勝ちならまだしも、意図があるんなら直接しかないよ。ほんと。
あの時は、きっと順序を間違えたんだ。
手を差し伸べるのは……きっと誰かが必要としてる赤の他人なんかじゃなく──。
「綾川っ」
「ごめんっ……!僕が…………僕が順序を間違えたばかりに……!」
今までで1番の力強い走り込み。
ソファにうずくまるあなたの元へ、救う手立ても無いのに駆け寄る。
「人は理屈で完全には動かない。だからこそ感情偏見印象で動かすことが出来る。
そう掲げて焚きつけようとするワタシの言葉は、利益の提案という理屈前提の話ばかりだったな。」
悪魔オモロスは綾川 遥希に医療品をおくった
悪魔オモロスは綾川 遥希に医療品をおくった
悪魔オモロスは綾川 遥希に医療品をおくった
「まあ、名義で嫌の使われ方を予感してくれたら襲ってくれて被害が減るかなと思いまして。
……食堂のスピーチだって、そういう手合いのナイフを私めに差し向ける口実でした。」
「………ありがとう。」
布を、元々巻いてあった包帯の下、服の上に滑り込ませて、圧迫止血を試みる。
「………毎度、すまない………」
非常に、申し訳なく感じて。