宇佐原サチ (Eno:23)
年齢:17歳
身長:156㌢
性別:女
「ちょっとマジ冗談じゃねーんですけど……」
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漠然と、人間は良い生き物だと信じていた。
あたしの知る限り、両親はそうだった。
独りになってからも親戚の人も優しくしてくれた。
だから、人に親切にしようと思った。
困っていたら助けてあげて。
明るい雰囲気に盛り立てて。
……ビビりなあたしは上手く出来たか怪しいけど。
バケモノは人じゃないからもっと怖かったけど。
でも、そうやって協力していけば、ちゃんと出られると思っていたから。
人が良い生き物なんて幻想だった。
あたしとは違う価値観で、傷付ける事に戸惑いがない人たち。
身近でニコニコしていた子も平然と命を犯していた。
信じていたものが崩壊して、人間って何か分からなくなった。
ぜんぶが全部、怖くなった、逃げ出した。
期限まで逃げて、籠もって、独りだけ助かろうと思った。
生きたかったから。
死にたくなかったから。
だけど、なんで生きたいのか。
ひとり孤独に生きて何がしたいのか。
白いシーツの繭に籠もって考えていたけど。
死ぬのが怖い事くらいしか思いつかなかった。
結局、生きたい理由は見つけられなかった。
そして、ここから出られないと知らされたとき。
死の運命が避けられないと知らされたとき。
その時からあたしはもう、生けども生けずの屍になった。
任せよう、任せよう、どうなろうと任せてしまおう。
世界は辛いから、耐えられないからひび割れて。
砕け散らなかったのは独りぼっちのあの子のせい。
この器を金継ぎして、また使いたいんだって。
大切にしてくれるんだって。
そうだな、使いたい時に失くなってたら可哀想だから。
この子が逝くまでは付き合ってあげようかな。
それが今は生きる意味。
やさしい優しいバケモノの子。
独りぼっちのバケモノの子。
あたしの全部をきみにあげるよ。
だから願いを叶えてみせて。
信じているから傍ににいるよ。
孤独を温めあって共にいるよ。
さいごの最期の、その刻まで。
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※オールフリー
※ログ公開フリー
イラストはSKIMAのキャラ販売より鳴子うどん様から購入したものです。
━━終わらない夢のなかで━━
正直、約束より先に終わりが来ることを願ってる。
だって、果たされちゃったら本当にあとは終わるだけ。
ならさ、勿体ぶって、もったいぶって。
できるだけ長く一緒にいて。
キミの最後の最期にこう言ってやりたいの。
『約束破っちゃったね』
って。
そうしたら悔しがるでしょ?
未練が残って化けて出てくれるよね?
あたしもそれで、応えてあげればよかったって終わって。
終わりきれなくて、幽霊になって。
したら。
ふたり仲良く、末永く。
正直、約束より先に終わりが来ることを願ってる。
だって、果たされちゃったら本当にあとは終わるだけ。
ならさ、勿体ぶって、もったいぶって。
できるだけ長く一緒にいて。
キミの最後の最期にこう言ってやりたいの。
『約束破っちゃったね』
って。
そうしたら悔しがるでしょ?
未練が残って化けて出てくれるよね?
あたしもそれで、答えてあげればよかったって終わって。
終わりきれなくて幽霊になって。
したら。
ふたり仲良く末永く。
あたしたち、ずぅっといっしょにいられるよね?
なぁんて、ね。