青年 (Eno:30)
夜路シデ(よみじ・しで)
元の場所で服役していた青年。
属性:神の教えに背いた者
身長:約170cm
-------------------------
廊下のベンチの上に置かれた聖書。
最初のページには落ち着いた筆跡でこう書かれていた。
『
死ぬことは怖い
けれど、死ぬことの恐怖よりも、別の恐怖が上回ってしまった
七日が過ぎて、この廊下が、僕にとっての自由な場所である廊下が、どこにも繋がっていないとわかってしまったら
元いた場所と同じ 閉じ込められて、どこにも行けないのだとわかってしまったら
この廊下でさえ、自由でなくなってしまう
そうならないかもしれない
外に出られるのかもしれない 自由になれるのかもしれない 本当に、自由に
でも、そうならないかもしれない
それが耐えられない
だから
これを見たあなたは、廊下にいつもいた人だろうか
だとしたら、ありがとう
あなたたちとの時間は、孤独だった僕にやすらぎを与えてくれました
こんなときだけれど、楽しかった
どうか、自由を
もし、これを見つけた場所が廊下でなかったら、廊下のベンチの上に
やはり、下にでも置いてくれるとうれしい
』
聖書の最後のページには、ミカンの汁で何かが書かれている。
火で炙ることがあれば、字が浮き出てくるだろう。
『たすけて』
『かあさん』
『とうさん』
『かみさま』
*----------------*
イラストは【つなぐ】にて村雨様(@ms_junk)より購入したものです。
https://tsunagu.cloud/