『私の所属する組織の名前です。』
『'異次元研究探索と異常監視'――――』
『――――Dimensional Research Exploration and Anomaly Monitoring』
『まあ、あなた方が今いるような空間を研究・管理する組織、とでも。』
『あなた方がいた世界とは、全く違う空間です。』
『閉ざされた異世界、とでも。既存の法則は無い場所です』
『まあ、そこは物理法則に近いものなどはありますが…』
『枠からはみ出た、例えば魔法のような力は使えなくなりますよ』
『そこからの脱出の仕方?』
『……………』
『面倒だな……』
『ああいや、そうですね。今手元に、袋はありますか?』
『無ければ、そのあたりにあるはずです。』
手元か、ポケットか、はたまた足元か。
黒い袋がある。中には、金貨に見える何かが詰まっている
『そう、それです。それは「資源」』
『各部屋にある「箱」の中に入れると、必要なものと換わります』
『まあ、医療品とか食料とかくらいは出るはずです。……あまり複雑なものは出てきませんが』
『ナイフくらいの簡単なものなら、出てくるはずです』
『もしくは、およそ一日ごとに生きるのに十分な水や食料に勝手に変わります』
『あ、不死とかも枠の外ですから機能しませんよ。ちゃんと飲み食いしてください』
『勝手に換えないでほしい?』
『私に言われても……………………』
『ともかく。』
『いいですか?七日程生き延びてください』
『そうしたら、脱出の準備ができますから。』
『あ。そうそう。』
『食料に換わる一定の時間に、少し真っ暗になることがあります』
『気をつけてくださいね。足元とか。』
ぶつん。放送が切れた。
現在に目を向ける