剣道部 (Eno:11)
*画像はつなぐにて【しまなみ@islandwav】様からの購入させていただきました
酔生夢死とは
何事も成し遂げずに無意味に一生を終えることを指す。
◆
There was a man, a very untidy man
Whose fingers could nowhere be found to put in his tomb
He had rolled his head far underneath the bed
He had left his legs and arms lying all over the room
──童謡。
◇
何も言わない。お土産もない。
土産にしようと思っていたが。
結局。無駄死にする人は、自分の目では見られなかった。
それでいい。それでいい。
「……」
元の世界に戻る。元の世界に帰る。
資源に満ち溢れていたここは夢の部屋。
夢から覚めれば現実があるだけ。
戻らなければならなかった。
まだ戦いは続いている。
都市の人間であるならば。
学生であるならば。
その終わりまで、立ち向かうのが当然な話だった。
自分たちはデータが入れられている。
編集済みの人間だった。
「………」
だから、足は動かされた。
前へ。
◆
──けれども青年は何も知らないでいる。
上の人々の星の船が完成されたことなど。
定期便の最後の一便が飛ぶこと。
質が落ちたとしても支持するもの。
都市の管理者はいなくなる。
下に住む戦う人々。
青年も、誰も、知らないでいる。
──かの星には門があった。
かの星は異世界と繋がっていた。
逃げ出した人々にとっても疎ましい。
その橋が放棄されれば、魔物は星を埋め尽くし。
いつか空へと進出するやもしれないだろう。
星の終わりを、訪れさせると決めた。
──削除されることなど、当然知らない。
◇
「……」
「何か周りは綺麗だと、言って、いるが」
「………」
「何も見えん」
「何も、見えん」
「両目とも、食われた、故」
──Redacted!!
廃棄行、なり。