クレジオ (Eno:3)
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クレジオ・イチロック
身長:181cm
一人称:オレ
二人称:お前、キミ
好き:強い自分
嫌い:弱い者
とある世界で有名だった魔術師の家の息子。
その中の6人兄弟のうちの5人目。
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ある教団の女が禁忌を犯して一つの薬を作った。薬には人1人の命が使われており、それを体に入れることで魔力の増幅、人間とは思えない力を手に入れることが出来るのだ。
教団の女は孤児院住む子供にそれを打ち込み、残虐非道な実験をした。
異形に成り果てたものもあれば、耐えきれず無惨な死を迎えたものもあれば力に適応したものもあった。
しかし女は教団にこれを悪事として吊るされ同じ仲間に罰を与えられたそうだ。
今では数少ない貴重なモノになった薬。
女が動かしていた組織の生き残りが
売り捌いているらしい。
手に入れるには莫大な金がいる。
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—知ってるか。
何も無いとこの家じゃ価値がないんだ。
父は価値あるモノが好きらしい。
俺たちは普通で劣等だから価値がないんだ。
…
貯めた金で薬を買った。
そして俺は薬を己に突き刺した。
1回目は。
ドクンと。胸が弾けそうになった。
痛い、痛い、痛い、痛い。
内臓が全部ひっくり返り。
ヒトじゃなくなるような、感覚。
嗚咽と痙攣を繰り返して。
意識を失って、目覚めて。
全部楽になった頃には体が軽く
とても心地が良かった、溢れるようだ。
2回目は。
薬を打ったおかげで兄より強くなった。
父上も見てくれていた。
褒美は金をもらった。
もっと欲しくなってその金でまた薬を。
また同じ感覚。
苦しい。けど嬉しい。
脳が溶け出すように。
また見てくれるだろう。
もっと認めてくれるだろう。
3回目は。
—畜生。
あいつら俺をカモにしてやがる。
倍の金額を出してきやがった。
足りない、足りない。
一つ、思いついたんだ。
無能な6番目の妹を見た。
…人って、高く売れるらしい。
劇薬を、突き刺した。
沢山、沢山流れ込んでくる。
きっともう戻れない。
吐いた血が、黒くなっていた。
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帰った後はどうしようか。
きっとずっと逃げ続けることになる。
一生続くかもしれない逃走劇。
寝ることも許されないかもな。
でも赤い赤いクソみてえな部屋よりは
楽に過ごせるだろ。
じゃ、2度と会いませんように。
✳︎おまけ✳︎
『………ァーッごめんなさいですの…逃してしまいました…』
『あらぁ…やっちゃったねぇ…どーしよー。
お父様は抹殺する事を望んでるのに…』
『サリー、お父様を悲しませたくありませんの…』
『まっ!後はお兄様に任せて!
チャチャっと見つけて、チャチャっとサリーが潰しちゃえばいいからさ!』
『…!はいですの!
サリー、最後のドドメ。頑張りますの!』