雪野圭(ユキノ ケイ) (Eno:22)
「雪野圭です。短い間でしたが、ありがとうございました」
物静かな少年。背格好はでかいが細身のため、ひょろ長い印象を他人に抱かせる。やや他人との交流に難点がありそうなものの、借りてきた猫のように大人しい。
profile
名前: 越御絵ケイ 雪野圭(ユキノケイ)
性別:男
身長:176cm
年齢:16
一人称:僕、俺
二人称:あなた、君、アンタ
好き:弟、「あとは、これから増やす予定です」
苦手:甘いもの、恋愛や性愛沙汰、自己紹介、人間、家族
タートルネックにベストに、ちょっと厚手のパーカー。あったかくて気持ちがいい。春には、どんな服を着ようかな。
スーパーで飴玉を買った。ラムネより本当はこっちの方が好き。そうだ、自炊を始めようかな。風雅に、食べたいものを聞いてみよう。
思う存分うたた寝が出来る。何も気兼ねに思うことはない。布団はあったかいし、寒いんだったら布を増やすか、あるいは弟を呼んでもみようか。
軽くて歩きやすい新品の靴。足によく馴染んでいる。きっと何処までも歩いていける。
帰り道にあった神社。あの日、おみくじを引いた場所。折角だからと寄ってみる。参拝をして、そして……おみくじをひいた。
「……はは、ここまでしなくても良いのに!」
太陽の下できらきらと輝く白。
待ち人 当方から尋ねよ
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本当はこんなことなんてしたくなかった。
……けどまあ、こういう出会いがあったのなら、それだけで十分かもしれない。
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時間帯によってはかなり低浮上だと思います……!(日曜日の昼頃)
急にロールが切れることがあります……!ご了承ください……!
規約の範囲でオールフリーです!内緒話も気軽にどうぞ!
PL:結兎(@631_Yuu)
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「あらまあ、あの子、越御絵さんとこの一番上の子でしょう?」
「越御絵さんのとこの旦那さん、会社のお金で女遊びをしていらっしゃったんですってぇ。いやだわぁ」
「あの子も旦那さんに似て、陰気で可愛げのない子ねぇ。そんな子が買い物だなんてねぇ……」
偏見。ただの買い物なのに。窃盗なんてしないのに。
狭い町だからすぐ噂が回る。偏見も一緒に回る。
回る回るよ、苦痛と共に。泳ぐ泳ぐよ、背鰭尾鰭を増やした魚の群れが。
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「なぁ〜越御絵〜、聞いたぜ。お前の父さん、会社の金に手をつけたんだって?」
「バリバリのキャリアマンだってのに、なあ?」
「なあ無視すんなよー、つまんねぇぞ」
「っていうか、生意気だよなぁ。立場分かってんのか?」
「お前さぁ、俺達に逆らえる立場じゃないんだよ」
「泥棒の子どもの癖に」
別に、俺が悪いことしたんじゃない。俺が盗みを働いたわけじゃない。それなのに、それなのになんで!
それとも、本当に俺が悪いんだろうか。俺が悪人なんだろうか。
俺が真正の悪党だから、自由に弄ばれたって仕方がないんだろうか。
これは、俺への罰なのだろうか。
きっと、そうなのかもしれない。俺が悪いんだ。
そう思わないと、こんな所業到底受け入れられない。
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「ごめんね、圭。その……だってほら、学費のことだってあるし、ご飯だってタダじゃないでしょう……?」
母さんは、越御絵優衣さんは離婚届に頬擦りしてた。
俺の母親じゃなくなるその人は、到底息子に向けない顔を向けてきた。
交渉。
「圭、良いか。不義理なことはするな。ルールは守れ。常識はずれな恥ずかしいことはするな。わかったか」
口酸っぱくそう言っていた父さんは、他人にそう言えるほどの人じゃなかった。
父さんは、家に帰らなかった。送ったのは紙切れ一枚だけ。
父さんは戻ってこなかった。父さんは俺を迎えに来てくれなかった。
俺の待ち人はあなただけだったのに。
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「お兄」
「……なあに、風雅」
「どこか出かけるの?そんな大荷物で」
「ああ、これ?……ちょっと、バイト決まったから、それで」
「へぇ〜、珍しい。圭兄今まで金とか使ってなかったのに。なんか趣味でも増えた?」
「…………そんなところだよ」
「……お兄?」
「じゃあ、行ってくるから。暫く帰ってこないと思う。母さんには伝えてるから安心して」
「は?ちょ、ちょっと……!」
「じゃあね。バイバイ風雅」
「待って圭兄!」
「……なに」
「……あのさ、俺はお兄のこと、全然わからんけど……でもさ」
「……バイバイなんて言わないで。そして、気をつけて行って、帰ってきてね」
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ひさびさに見た空は綺麗な青で、よく晴れていて、瞳にその眩しさがよく刺さった。
適当な服屋さんに寄って、上着と、長袖の服を幾つか買って着替えた。新品の服は清潔な香りがして暖かい。
貰った連絡先の紙は大事に、絶対に忘れない所にしまう。
帰り道までの切符を買う。優衣さんは俺を見てどんな顔をするだろうか。風雅は、元気にしているだろうか。
やがて来た電車に乗り込む。最近見ていたものとは違う、何の変哲もないホームだ。
座れるなんて運が良い。しかも、端っこ席。
暇を潰すものなんてないから、静かに座ったまま考え事をする。これまでのこと、これからのこと。
この世界は醜い。
誠実を説く人は穢れていたし、天使は居なかったし、何も知らない人間は冷たく、周囲の人々は俺を苛む。
きっとこれからもそれは変わりがない。
世界は優しくない。化け物も沢山いる。そして俺は、そんな世界に到底馴染めない。
これからも、きっと。
それでも。
俺は生きていく。
やりたいことがあるから。返したいものがあるから。楽しみなことがあるから。会いたい人がいるから。交わしたい言葉があるから。
箱の底には希望が残っている。その一欠片だけで、十分だ。
例え世界が醜く脆く歪んでいるのだとしても、大切なもの一つで、俺は生きていける。
そうしてそれは、今一つでは無くなった。
「次は、何をしようかな」
帰ったら、普通のバイトをしよう。
色々な場所にも行ってみたい。知らない人とだって、次はもっと楽しく話せるようになりたい。
そうやって俺は、俺の世界を広げていく。広げてみたら良いと、言われたから。
車窓から差し込む陽光は柔らかで、暖かくて、そうして様々考えているうちに、うとと自然な眠りに誘われる。糸が緩まり、あとは帰り道の終点まで。
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繋がる連絡先がある。また会いたい。次会う時は何をしようか。
繋がらない連絡先がある。もう会えないかもしれない。でも、このままずっと、連絡帳に残るだろう。
会える人が居る。それはとても幸せで、その縁を掴み取れたことを嬉しく思っている。今度はいつ遊ぼう。いつ集まろう。
会えない人が居る。それでも良い。全部が全部、掴み取れるわけではないのだから。
居る人がいる。居なくなった人が、いる。皆、今はどうしているのだろう。元気だろうか。或いは…………。それでも。
けれど、一つだけ確かなことがある。
俺はあの時、皆と会えて良かったって思っているんだ。