Day3(仮説)

●停電後

傍を撫でる風切り音。鼻につく血の臭い。嗅ぎ慣れた臭い。

負傷無し。負傷者有り。死傷者2つ。

└【霊安室】を指定。目印に扉へを記した。

 以降死者が出る度に其処へ運び込むものとする。許容限界を超える場合は増設しよう。

死者は何も話さない。ソレは生者のみの特権。

●喫煙所

此処から本当に出られるのか。そんな思考が過ぎるのも無理はない。

何をどう考えた所で、現時点ではそれは全て憶測に過ぎないのだから。

どうせ知略を活かしたところで、ゲームマスターが盤上をひっくり返せば元の木阿弥すべて無意味

故にこそ、重要なのは"決断"だ。己の意志がままに、悔いの無い選択を。

●"スケッチブックとクレヨン"

仕事の後、キッチンの清掃に入った。

スベリの手伝いもあり、決して元通りとは行かないがマシにはなっただろう。

そうこうしていれば、物言わぬ少女が1人。

ジェスチャーにて、清掃に協力してもらった。

└その給金として、筆記具を彼女へと授与。食料品よりも意思疎通の手段が重要だろう。

その折、彼女より  を受けた。悩ましい事だったろう。けれども、また出会える者が多ければいいと思う。

 

 

 

●追記

───蘇生薬の効果を確認。

明らかに死んでいた者が平然と動いている。生きている。

知人友人であれば嬉しいことだろうか。

そうでない他人からしてみれば?……明言しないでおく。

 

現時点、副作用に関しては不明。記憶の混濁に関する可能性は否定できない。

~  ~  ~  ~  ~  ~  ~  ~  ~

雨は降り止まない。初めての出勤日もあんな豪雨の中だった。

酷く気が重かった。けれど、それも仕方がない。周りの大人達は皆同じだ。

そんな中でも、私は私として生きたかった。

だから、そう。だから、そう。

 

 

 

私は私として、私らしく生きるために、その扉を選んだんだ。

それがどんなに酷い物でも、それしか知らぬ者からすれば渡りに船なのだから。