方法-③

大学のサークル選びは慎重に、なんてよく聞く話だ。

法に触れる活動をしているサークルも珍しくない。 

夏休みに、上級生の借りるアパートで飲み会が開かれた。

その日上級生達はいつもの紙煙草ではなく、葉巻を吸っていた。

甘い、煙の匂い。

葉巻ですか、と彼らに問えば肯定が返って来た。手作りの葉巻だと言う。

違法な物だとすぐ察しがついた。

しかし、それよりも。

同学年の友人が、当然のように吸っていた事の方に驚いた。

彼はやっとできた友人だった。

共通の話題もあり、価値観も近しく、話していて心地良い相手だった。

甘い煙を吸う彼の横顔が、別人に見える。

仲間だと思っていたのは、同等の存在だと思っていたのは、自分だけだったのだ。

自分の人生に良い人間など現れる訳がない。

皆等しく人並みに屑で、人並みに愚かだ。

そしてきっとそれは、俺も同じ。

多くを気付かされ、自分が独りであると自覚した。

失望と落胆と諦念が、次の行動を決めていく。

一本くださいと彼らに言えば、笑顔で真新しい葉巻が差し出された。

火を灯す。

一服、二服、三服。

吸っていく度に、胸の内が冷えていく心地がする。

俺の人生に期待した、俺が馬鹿だった。