三日目、雨。

"天使"の話をしよう。

私の天使、私の妹の名は『美咲』。

美しく咲く花のような愛らしい娘に育つように。

父と母、そして私が考えて贈った名前。

名前の通り、美咲は美しく愛らしく。

『笑子』と名付けられた私よりもずっと。

笑顔の似合う子に育った。

多少、そそっかしいところはあったけれど。

しゅんと項垂れて、素直に「ごめんなさい」と言われたら、誰だって美咲を許した。

私もそう。

この世のあらゆる困難や苦痛は、彼女には無縁であるように。

姉としてよく遊び、助け、導いてきた。

そう思っていた。

あの男がやって来るまでは。

大切なものは守り続けられると、そう信じていたの。