ずいぶんと久しぶり、いや、初めての呼び出し。
子供が作った話を信じるなんて、どんな馬鹿だろう。そう思って顔を見た。
今にも泣き出しそうな目で、何物にも縋りたいという目で、それにしては哀れとは思えなかった。
顔のことは思い出せない。多分、見てなかったんだろうな。
「取引をしましょう。」
赤に塗れた彼は言う。
あとは、取引上通り。
「いいよ」
僕は承諾した。またとないチャンスであり、面白そうな事を思い付いたから。
「ただし」
「貰うのは君の肉体だけ。」
「魂は大切じゃないんだろう。僕に売り渡そうとするくらいだ。」
「それに、僕がほしいのは体だけだからね。」
僕はこの時から、らしくなかったのかもしれない。
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人が死に、生き返る。
これは僕らが起こすような、文脈上に沿った奇跡なのではないのだろう。
人がそうあれと願い、そうあれと作ったものに縋っただけ。
……なんだ、奇跡と大差ないじゃないか。
雨はまだ止まない。
ずっと、嫌な予感がするのだ。
ずっと、ずっと。
こういう時は、賭けに負ける気がする。
またメロンソーダが飲みたい。