ここに来る前

アタシはベットに寝かされてて。

その日は晴れだって知ってる。

だって、雨の日は起きてすら居ない。

それかやたらに頑丈な手枷の音だけがするんだ。

「~~順調だ。今回の投与は」

「前回は失敗だった。検体の中の病原菌に変化は無かったではないか」

うっすら、声がする。

どうでもいいから聞いてないけど。

だってアタシ喋れんし。

  医師も狂ったらしい。やはりさっさと処理すべきでは……」

「いいや駄目だ。伏せているが各所で被害が出ている。『殺人病』に幼少期からかかってる検体なんて早々手に入らんぞ」

頭の針が取り換えられる。

新しい情報に思考が薄れる。これが正解らしいけど。

なんも、出来んじゃんね。