▶︎始めに
卵が届けられた奥様、おめでとうございます。
こちらの卵はどのように使っていただいても構いませんが、届けられた約9割のご家庭は体内に取り込み、⬛︎⬛︎ある未来のご家庭を過ごしています。
そしてこの同封したレシピ本を手に取ったということは、食べる意思があるということ。
何せ、大きさがある物ですから食べるのにも一苦労いたしますでしょう。
ですから!こちらレシピ集をつけさせていただいた次第となります。
滋養、栄養、そして⬛︎⬛︎ある卵をたべ、あなたの体に⬛︎⬛︎をもたらしますよう。
どうぞ楽しき毎日をお過ごしください。
【天使都市アンゼポリス:天使番号26番 ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎】
▶︎まずは定番!
・卵かけご飯
1.割った卵の内側から、一部の黄身と白身を救い出す
2.鳴き声がするので、すり潰すようにして混ぜる
【そのうち鳥の卵と同じようになるのでその辺りが目安です】
3.醤油をお好みで垂らす
4.そのうち固まってくるので、温かいご飯の上に乗せ…
(以下略。様々なレシピが掲載されている。
どれもが卵をメインとした物だ)
◆
「人間の食事を見るのは面白いな」
「我々は食事にレパートリーがない」
「まあそれで構わないのだが」
◆
──ボードには、卵が調理されているところが映されていた。
私にはあのグロテスクが、人の好む卵と同じものとは思えなかった。
透き通った卵色をしたなりかけの──
頬をつねって。
肌に爪を刺し。
やめてくださいと懇願した。
かき混ぜられていた。
かき混ぜられていた。
◆
「十月十日、よおく寝かせること」
「おいしいものには手間がかかる」
──どこかで、赤子の産声が、きこえた。
おぎゃあ、おぎゃあ、と泣き声がした。
元気に生が始まる音だった。