芥子

本当は"ケシ"の予定だったらしい。

お袋が考えた名前を、親父が役所に出しに行って。

そん時にお袋がしたためた名前を親父が読み上げて伝えたそうだ。

"カラシ"ですって。

 

そっから随分親父はお袋に頭が上がんなかったらしい。

まぁそらそうだわな。コガラシカラシって。

いやケシでも全然変な名前だけどな。シが二つで語感がいいのだけがお気に入りではある。

 

でもまぁ、こんな変な名前でもわりかし役に立ったもんだ。

何より覚えられやすいってのがいいね。

まぁ、その後すぐに忘れられちまった名前だけども。

ケシってどんな花言葉なんかなァって調べたら、これがまた笑える話で。

ピンクのケシは思いやり、いたわり、陽気で優しい…結構今の俺じゃない?どう?

恋の予感なんてのもあったけどこれはちょっとちがうカモ。

黄色のケシは富と成功。これもまぁ、俺にも一時期はあったんだよ。

過去の栄光ってやつ。あんま長くはなかったなァ~

 

んで。

白いケシが忘却

…マジで笑えるわ。名は体を表すってな。いや俺カラシだけど。

ほんとに………笑えるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ。

それも今は、いいよ。そこまで気にならなくなった。

だって、少なくとも一人、忘れないでいてくれそうなやつがいる。

…結構それだけで救われるなって、昨日から思ってる。

そりゃァ、宝物だって思っちまうのも仕方ないわな。

 

「……そういや、お前もシとヨ、二つも四が入ってんな。」

 

だってのに全然語呂が良くないって、寝てる姿見て勝手に笑った。

 

お前は赤色のケシだね。