少女レイラの事件簿

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「犯人は、この中にいる』

停電明け、騒然とする堂内に響き渡る声。

それにより場の視線は一気に、声の発端の少女へと向けられる。

「犯人いんのヤバ笑 誰なん笑」

「それは…このうさぎが知っているよ」

少女───レイラはそう言うと、足元を飛び跳ねていた小さなうさぎを抱き上げた。

この堂の騒動の原因、消えた人間の代わりに残されたうさぎである。

「その兎は…なんですか?」

「これは……消えたおじさん」

「おじさん……!?」

そんな…驚愕し口元抑える白髪の女性に頷き返して、

レイラはうさぎへと問いかける。

「おじさん、誰があなたをこうしたの?」

すると兎はぴょんと跳ねて、跳ねて。

それから転がってまた跳ねて。

何度も同じような動作を繰り返し出して。

「なんか変な動きだね。探偵さん、これにもなにか意味がある感じで?」

「もちろん。…ヨンコさん、紙とペンを」

首を傾げるメイドに頷き返して、レイラは先程の女性に声をかける。

いそいそと用意された筆記用具、うさぎの動きを記号で表せば…

「これはまさか……モールス信号?」

「おじさんモールス信号できるのヤバ笑作家スゴすぎ笑」

「あー、私ちょっと読めるよ、メイドの嗜みですから。これはえっと……」

「……あくま」

出された答え。

ふたたび騒然とした堂内の視線は、今度は入口近くに立っていた人物に─────

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「……これ面白いんか?まぁ、いいか」

「……なんとか、約束は果たせそうだわな」

「………………よかった。はは、駄作だけどなァ」

筆を置いて。

残り少ない時間とインクを、約束を果たすために使って。

…満足だ。やりきったな。これでとりあえずは。