ざあざあ、ざあざあ
先に断っておきますが、私は雨女ではありません。
けれど、生まれた日、七五三、合否発表、告白、殺人、出所祝い──
冠婚葬祭、そういう日にだけ、雨が降っていました。
ざあざあ、ざあざあ
きっと、お天道様は私のことがあまり好きじゃなかったのだと思います。
雨は憂鬱です。傘を持たなくてはなりませんから。
ざあざあ、ざあざあ
でも、雨のことが嫌いとまでは思っていませんでした。
雰囲気があって、物静かなのに時に激しくて、湿っぽくて、
お父様に、よく似ていましたから。
拭うことはできません。でもそれでよかった。私には、それで十分だった。
ざあざあ───
……足音が来る。私を攫う雨足が。