此処は不思議な場所だ。
人間以外の様々な種族がいるし。
現代ではあり得ないファンタジー感がある。
中庭の扉は開くことは無く、完全なる隔離の状態だ。数えて65人程。結構多い。
この数を拉致誘拐したのか?
いやどう考えてもそういう次元じゃ無い。さっきも言った通り人間じゃ無い者もいる。
考えれば考える程現実離れしていく。
限られた資源。
全員の生存状態が映されるモニター。
そして極め付けはナイフだ。
資源を支払えば貰えるのだ、此処に黒幕が居ると仮定すれば、アレは何をさせたいのだろう。
周りが言うように事件が起きてもおかしく無い状況だ。半分以上僕がいるからとか言われているが。
残酷な事にならない事を願おう。
そういえば朗報だ。
眠りについた後、自身の記憶らしき断片を見た。
少しずつ思い出していけば自分の事も、この手帳に書かれた事も解るかもしれない。
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……
『ついに追い詰めたぞ…ッ!』
ドタドタと廊下を走る人。
ヤンキーの格好した奴が壁際に追い込まれ息を切らしている。
『お、おい…許してくれや…』
『此処まで来て逃す訳ないでしょ、さぁ全部吐きなさい』
歩み寄る彼女はニヤリニヤリと笑いながらきっと今後の報酬の事を考えているのだろう。
『たかが購買の人気パン2個食っただけじゃねえか!何でそれで此処まで大事になるッ!?』
ヤンキー面の男が声を荒げる。
だがそんな些細な事であろうが無かろうが
僕の隣にいるリーダーには関係無い。
この桃色の髪の彼女からは逃れられないのだ。
『いいかな助手くん。君もこうやって我が部の一員として依頼をこなし、事実から目を逸らしてはいけないのだよ』
「ええ…(心底どうでもいい…)」
彼女の名は…水里 桜。
僕は…その彼女が作った部の、助手をしているただの学生だ。
何故こんな事になったのか、どうしてこんな事に巻き込まれなければいけないのか。
暗い思考しか浮かばない僕は伯父の職業を、探偵を思い出してしまい嫌だった。
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…そう、僕は伯父の仕事を引き継が無ければならなかった。
僕の隣にいたアレは…誰だ?