巡風日

朝はスープにパンのいつもの朝食。

身支度を整えれば、広間へと向かいましょう。

今日は聖堂に来る信徒様方の対応でございます。

この世は混沌としておりますから、我々の冬の神のお力を求めたり、奇跡を願われる人々も多いのです。

私はそういう方々の為に教えを通し、実践すべき事を説きましょう。

たとえば、夏であれば食材が痛みやすいので衛生管理を。

冬であれば風邪をひかぬように服や薪の準備を。

その土地、その土地の信仰にも合わせて説くこの教えは、柔軟な宗教、と言えるでしょう。

全ては皆様方が冬の神を信仰し、救われる為に。

「さあ、本日も感謝を致しましょう。

 我らを優しく見守ってくださる冬の神に」

『ああ、ありがとうございます』

『お陰様で良い冬を迎えられそうです』

『ローゼン様、どうかこれからも』

『お導きを』

ええ、もちろんでございます。

冬の神は、あなた様方を見守ってくださっていますから。

*ー*ー*

さて、この奇妙な場に辿り着いたのですが。

どうやら皆様方も同じタイミングでここに転移されたようです。

一体何者かの目的か、とは思いましたが。

事故に近いのでしょう。

案内の声は、我々を迎えに来るとおっしゃいました。

では、信じて待ちましょうか。

明日が、助けが。

いつか来る事を。

……ところで、食堂は機能を果たさなければ堂、器だけになるとは少しばかり笑えてしまいますね。