巡木日

さて、本日は休息日でございます。

教えを説く身でも、休息は必要ですからね。

こんな日には好きな食べ物でも食べていきましょう。

料理当番でもありませんし、いつものスープを食べた後は、

折角ですしカフェにでも行きましょう。

そのカフェは好物のパンケーキにシロップとアイスがかかっていますから。

その後は教会に戻って最新刊の勇者物語のお話ですとか、

聖典を見直したりしましょう。

いつでも、聖典のお話は語れるようにしておかないといけませんから。

『――あの、すみません、ローデン神父』

「おや、どうされましたでしょうか」

『……その、先の仕事の際の方がお見えです』

……おやおや。

急な来訪でございますね。

読書はほどほどにお客様にも勿論真摯に対応しましょう。

彼らもいずれ、良き信者となりえるのですから。

『――しかし』

『急に増えてきましたね、我々の力を求める方が』

ええ、本当に。

近年、春の神の祝福を受けた妖精が誕生したと聞きました。

春の君、と呼ばれる冬の土地に生まれた子。

それにその傍には妖精の森を管理する者。

……少々、厄介になってきましたね。

ただでさえ、冬の妖精は希少で。

大抵は冬の土地の者が招かれて“成る”事が多いのですが。

そこに春の者が生まれたとなれば、教団としても危機的状況なのです。

世界のバランスが、崩れますから。

――よりよい、世の為には。

*-*-*

しかし。

神父仲間がいたと思ったのですが、残念でございます。

更には、別の方には信仰ですらも疑念を抱くようでございまして。

誤解を訂正するのも大変でございますね。

この教えは善意で出来ているのですから。

当然、私の行為も善意であります。

だって、私の宗教は。

冬の神のみ教えでございますから。