葉月

澱んだ金魚鉢が半分の目に見えました。

カルキの毒で悶えて死んだのでしょう。

蛇口捻っただけの水じゃ生きてけないらしくって。

屋敷に集まった親戚の皆さん、お父様を亡くなられた事にしてしまいたいそう。

今迄を思えば殆ど縁切りみたいな状態でしたのに、

まるで死肉に群がる蝿の様でもありました。

会食では父の悪口を良く聞かされたものです。

一緒になって似た風な陰口に毒舌叩くたんび、

光を失った眼に覗き込まれているみたいな錯覚がありました。

安住の地ってものを失った気がしました。

茹だるような夏なのに息すら凍りそうで。