ざあざあ、そんな音がした気がした。
それが雨の音だったのか、ノイズだったのか、僕は知らない。
「取引をしましょう」
そう言ったのはぎらついた目。黒々とした天眼石。
「私の大切なものを対価にします。大切なもの、全てです。」
軽率にものを言うそれは、自らの全てを支払うと宣う。
「だから」
水滴が溢れる。それが雨粒だったのか、涙だったのか、僕はわからない。
「お願いです」
「助けてください」
「私たち、みんなを」
ざあざあ、ざあざあと、音がする。
あぁ、きっとこれは雨の音だ。
雨にしては、水たまりは赤いけど。
────────
ねぇ、死に損ない。お前なら、どうするの。
お前なら、皆助けようとする?
優しいお前のことだから、きっとそうだと思うけど。
ねぇ、生き残り。お前は、僕がいて良かったのか?
祈ったとしても助けが来ない中、僕は希望になってしまったのか?
それなら、悪い気はしないけど。
ねぇ、私。
僕はこれから、どうすればいい?
もう、答えてはくれないのだろうけど。