ロッカーやソファ、誰もいない受付がある
テレビと、壁の上の方にスピーカーがある
窓はなく、扉も開かないが空調は良い
「泣く子も黙る、絶対百回程死ぬ子と申します。チャンネル登録者数は4人です。ゆっくりサブスクライブしていってね。」
「魂が回復を拒否してるんだ そんなことある? プレゼントはありがとう」
「ちなみに、お名前聞いてもいい?」
「ヒッ…バケモン……」
「それはそうとして回復薬をあげるね。私が使おうとしても『あなたには使えません』って怒られるから…」
「私は53万だった」
「ククク…私の肩幅は1です。」
「大声にはダメージを受け狼には襲われ そんなことでやっていけるのか? もっと肩幅を鍛えなよ」
『ワウ!』 『ワウ!』 『ワウ!』 『ワウ!』 『ワウ!』 「おはよう ダメージ」 『ワウ!』 『ワウ!』 『ワウ!』 『ワウ!』
「皆様おはようございます!!!!」
ぬっ…と入ってきて開口一番爆音
「わ〜い。健康になる〜 百歳迄生きる!」
「なるほどこういう感じなのね」
回復薬の話が聞こえたので試しに使ってみた。
回復薬を使った。水あめだこれ(HP+100)
「余ってたしな…あげておく」
「そんなに!?」
「ください」
「む~~~ん……」
「まだ健康が足りない。あと回復薬が3000個くらい欲しいよお」
リナリア が突如床をすり抜けてどこかに消えた!
考えても仕方ないので、子供は缶詰を開けた
リナリア は缶詰を開けた。タラバガニが詰ま…カニカマだこれ
リナリア は缶詰を開けた。なんとなく磯の香りがする
「なんで私、子供姿なんでしょう…… 本来は違うはずなのに…」
ボソッと呟く
「ん……」
狼に抱きついて寝ていた子供が、目を擦りながら起きてくる
「うん。よろしくアザレアさん」
少し面映ゆいがそう悪いものでもない。
「……遅くまで付き合わせちゃったな。申し訳ない」
「色々ありがとう。おやすみ……」
もらったシーツを持って壁際へ行き、くるまって目を閉じる。
帰ったら仕事だ。眠れるうちに眠っておいたほうがいい……。
「では楓さんで……。やったー、きっと気に入ると思います」
無遠慮に下の名前で呼ぶ。植物の名前だとうれしいので……。
アザレアにも興味を持ってもらえてにこにこした。
肉眼で見るそれは記憶の中の姿よりずっと綺麗だろう。
「ふわわ……そろそろねむけが復活したかな」
犬……というか狼の軍勢によってすっかり目が覚めちゃっていたが、のんびりお話できたことによりリラックスして眠気も限界になってくる……
「あ、シーツ一枚あげますね。おやすみなさい……」
羽織ってた二枚のうち、シーツのほうを相手に押し付けた。
それでも無いよりはましだろう。
毛布をかぶったままこてんと横になり、やがて寝息が聞こえる……
「変わってる?地域によるのかな……」
思い出してるにしては不思議な言動を眺めている。楽しそうだしいいか。
倣って鮮やかな色の花を思い出そうと努めるもいまいち確証がない……。
「アザレア見てみたいね。帰ったら探してみる」
「伝わってよかった。苗字のほうが呼ばれ慣れてるけど、呼びやすい方でいいよ」
「緑が赤くなる? えーほんとだ? 変わった植物……」
こちらの世界では人を食う植物なんかは珍しくもないが、色の変わる木はちょっと珍しいのかも。首を傾げつつ脳内データをあさっている。
「はい! なんか……私の髪の色と同じ色のお花です!」
ふわっとした理解。別に属とか科とかそういう知識はないらしい。
それでもにこにこうれしそうに語る……。
「ふふふ。名前消えてたけど聞き取れてよかったです」
「ありがとう。データ?そう、葉っぱが赤くなるやつ……
多分俺が生まれた時期は緑色なんだと思う」
何か見ているふうでもなく、データとは?と首をひねる。思い出せたってことかな。
「アザレアも植物の名前なんだ。花なのかな?」
あまり植物に詳しくない男。相手の印象だけで勝手に花だと判断する……。
「なんか名刺あったなと思ったら変なやつだった。びっくりした……」
「楓さん……あ。楓! データ上にあります!」
「赤い……花じゃないなこれ。葉っぱ? 随分鮮やか……」
「楓さんもいいお名前です……植物の名前でお揃いですね」
意外な共通点ににこにこしました。にこ……。
「おや、それはなんかカードデッキに入ってたやつ……」
「あっ」見つけた名刺出そうとするから……
寝不足 は無名刺を手に取った……名前が消えた?
Forte はデスタロットを引いた……デス節制(正位置)!