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「おたんじょうび おめでとう」
「ケーキ いっぱいたべようね」
「外はダメか…」
男は考えた。
「うふふ、不幸の象徴ではないですよ?」
「お迎えの予定もありません。」
「飾れるものかぁん……僕の手首に巻いてるリワ(ミサンガのようなやつ)ぐらいしかあげられるものが無いなぁ~ん」
「そんな 私は捨てる常識すら惜しいというのに……ゴミ箱漁りのテンになりますか……」
「あ〜シームレスに自己紹介も始まっとる」
「いかん。非現実が見えたから頭冷やそか」
「別んとこいこか〜…」
「なんもねぇな。寝床には出来るかな」
「バースディに天使のいる部屋に閉じ込められるとか御愁傷様って感じ。」
「ケーキを切るナイフはあっても」
「肝心のケーキが置いてないんじゃね」
「エブリデイなのか……」
「なかなかにぎやかになってきましたね……」
歌に楽しげに身体を揺らす。顔は見えないながらも、その声色からにこにこした表情そうに見えるだろう。
「ここは少々煩いです。よそへいきます」
*たったった。
「ハッピーバースデイ ディア」
「エブリデイ」
「……趣旨がよく、わからない」
「こんな色の無いスペースで、こんなにも人が居るなんて」
「で、外には出れないと。
どーなってるんだろねぇこれ。
こまっちゃうにゃあ」
「あぁ全然店あるじゃねぇか」
「そんじゃくるくるも買えるかもな」
くるくる くるくる
たのしいので おててをまわします
くるくる くるくる
「んにゃー
いろんな子がいるねぇ」
「……………」
「だして」
「おみせやさん かくしてる」
「だして」
「では私は良い方向に考えます!私なりの良い方向に!」
「人間様方が誕生日の時、贈り物がない!しかし出来ることはあります、それは……歌!ハッピバースデーートゥーーユーーーーーーーハッピバーーーーーーー(以下、続く)」
「元気なものだね……」
「……宮成(みやなり)梨音(りおん)。
とりあえずよろしく、そしておめでとう。誰かさん」
ひらり、片手上げて。ようやく口を開いた。
「スマホ使えない…ポンスタグラムもYも開けない……。
更新できないじゃない…電波ぐらいつなげてほしかったわ…」
「お店屋さんでくるくる、ねぇ」
「良い案だが。肝心のお店屋さんは一体どこにあるんだ?」
「コスプレイベント兼誕生日パーティ、じゃないの?」
「……違うのかな。……違いそうだな」
「この店のものって無限にでてくるの?」
「お」
「おみせやさんで ケーキ かって」
「おみせやさんで かみの くるくるかう」
「どう」
「知的生命の坩堝、または蠱毒、常識なんてそこらのゴミ箱にツッコんで適当にしたほうがいいぜ」
「天使様がいるので天界ではこれが流行りなのかもしれません。
きっと誕生日パーティトレンドの最先端ですよ」そうか?
「ええ、よろしくお願いします。
迷える人々に髪のご加護がありますよう……。」
「……バースデーだったのですか? それはめでたいですねぇ。」
「へぇお手手ないないか、誕生日の嬢ちゃん」
「飾るったってそもそも飾る物が無いぜ?」