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「………。」
「……ああ。」
「ほらね。」
『あなた方の存在のおかげで、この厄介な終端を切り離すことができます』
『ええ、大変感謝しております。はい。』
『これより、空間の放棄を開始します』
『ですので』
『昨日お話ししたとおり、準備が整いました。』
『聞こえますか?お元気でしょうか』
「………」
来たか。
DREAMからの放送:
『あーーー、テストテスト』
「いってらっしゃいませ~。……」
「……………、」
倒れた姿と、そこに声を掛けた一人の方を見ながら、
スピーカーのようなものから、声がするのを待っている。
「お気をつけて」
「葬儀屋さんが起きたら伝えておくね」
はたらきものの背中を見送った。
でていく ろうそくさんに てをふりました
そして そーぎやさんを すこし きにするの でした
「だれ がいないか さがしてくる」
迷って 迷って そうして
出ていった
みてないわ きょうみないの
みなれた ちのいろより
しなれた おいのりを するのです
みなみなー みなみなー
かえるのは いつかしら
見下ろしている
子供には 刺激的
人が血を吐き 暴れる様
「…… ……」
ここに いないと
お祈り屋さん がどこにお祈り 行くか
ついていけない ……し
「それで……ついでにお酒でも奢ってください!」
「たとえ先がないとしても、今は生きているなら、
せめて楽しく過ごしましょう!」
「アイちゃんさま!」
距離を取る。距離を取る。
人々から遠巻きにされていく。
ぽっかりと空いた空間に、叫ぶあなたの方に、散歩するみたいに気軽に歩いていく。
「苦しんでください!」
死を覚悟してなお、生きているなら。
地獄行きの切符はその手に握られなかった。
あなたには地獄すら生ぬるいのだろうか?
「生きて、苦しんでください!」
それでも、生きていなければ苦しむ事すらできない。
死は単なる終わりではないと説く。そういうものも居るのがここだ。
それでも──生きている間にしなければならない事も、あるだろう。
「生きようとしていたのに死んでしまう人間様がいるのであれば……
死ぬだろうと思っていたのに生きてしまう人間様もいる、ということですね。
未来は不定。不測も不本意も有り得てしまうものです。」
うるさいひとは にがてなので すこし はなれました
なにを しているのかしら ね
さ と更に 距離をとる
変な人 関わらない方が 良いから
「あら、お怪我されてる……」
「ごめん……手当てできる資材がないや」
しゅん。
さっきの、くうかんあんていち? とやらで消えてしまったらしい。
「なんでぇ、なんで?
なんでなんでなんでなんでッッ!!!!」
ドンドンッと頭を地面ぶつける。
周りから見ればただ狂った行動をとってるようにしか見えない。
血が滲んでくる。
「理不尽な現象、ですか。ふむ……」
「……しかし少なくとも、旅立たれた方はここにいらっしゃらないようですね。」
それが。
そうなってしまった者にとって、幸か不幸なのかはともかくとも。
「だいじょうぶ ……じゃ なさそう」
見下ろし たまま
手当 する手は 無い
ちが でているなぁ と おもいました
いきてて よかったの かしら ね
「理不尽かあ……」
「もともとでしょ、って思ってしまいますけどね」
事前の許諾もなしにこんなところに連れてこられて。
最初から理不尽なのだ。今更細かいことなど気にする必要もない。
「ともあれ、今日で帰れるなら」
「めでたしめでたし、ですかね」
さみしいけれど。これ以上、死者が出ずに済むなら。
これでよかったのだ。
「わ」
びく と
吐いた 血から 遠のいた
もう 慣れた ようなもの だけど
「……なんで、なん、ゲブァ」
血が吐き出される。
「?」
あらまあ
ほうそうで すこし しょうげきたいせいを かまえるの でした
DREAMからの自動放送:現在空間安定値が計測不可能です。理不尽な現象が起こる可能性があります、ご注意ください