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「……ふふ、……いい光景ですね。」
三人が並んだ穏やかな姿を見て、呟く。
「写真というものが撮れるなら撮っておきたいぐらいです」
カメラがあればよかったが、娯楽品として出せるかは怪しい。機器だし。
「騒がしいのが好きなんだ。ワルイネ。静かにしてるとさあ、眠くなってくる…」
「でも寝てるなんてせっかく生きてるんだから面白くねえ。面白いといえば炎!だろ?」
「燃やしたいものはないかも……」
これにとって燃やすのは手段であって目的ではなかった。残念。
「騒がしいのが来ちゃったなあ……」
まっくろさんの指すところは顔の黒い自分だが。
見慣れない黒い人をすっかり騒がしいの扱いして、肩をすくめた。
まぁすぐに慣れるだろう。ここは騒がしいロビーなので。
「まっくろ、おれか?おれくらいか、くろいの」
「どうだ、ヒトよ。もっと燃やしたくはないか?」
「破滅的なお方ですね~」
破滅的になった。
「お。では……はい。そっちひっぱってー」
横に使えば三人で入れるかしら。
むーちゃんにシーツの端っこを一つ渡そうとする。
ひっぱってくれたら、いい感じに三人がおさまるといいのだけど。
「初日に、もし出られなかったら燃やそうぜって言いふらしてたんだが…」
「そんときはみなあまり乗り気じゃなかったんだよなぁ。でもいまは興味持ってくれるひとが多くてうれしい!」
「快活なお方ですね~」
快活で済ませていいのか?
馴染の光景は今日も続いている。
他の場所と比べてみても、
なんだかんだで大分賑やかかも知れない。
知らない方も結構快活だ。
……減った姿もあるのは、ずっと心に残ってはいて。
懐の温くなった缶詰は、きっと今日には食べないといけないな。
「爆発はございませんね~」
こんな場所、爆発オチで爆破解体されてくれればよかったのだが。
それはそれで救われない者も居るか。
シーツを半分かぶせられて
ついでにこてんと寄りかかる
「なんかやばい人だな」
よく刺されず残ってたなこの人。
きたひとや かえったひとに てをふってから
まっくろさんや ふわふわさんの ちかくに すわりなおして みました。
「です〜(コピー元のエコー)」
「れんじ…あったかくなるのか? 火種があればでっかくできるよなあ」
「キカイ、分からんのだ。未開の文明の者でね。あ~~爆発が足りねえよォ……炎の導きのあらんことを……」
「おかりえりなさい!」
騒がしい係のもう一人も帰ってきた。誕生日の子もにぎやかしはお上手。
さあ、ここは騒がしくなるぜ……! ……なるかな。
すっかりさみしくなってしまったが。
一緒にいたのに名前すら聞いていなかった、青い少女のいたあたりに視線をやる。
……。
さみしいのでふわふわさんの隣に座っちゃお。
よろしければシーツ一緒につかうべく、半分被せようとする。
「です~(コピー元)」
「起こしますか……木製製品を探し、擦り合わせ、火を」
「この閉鎖空間ですと二酸化炭素中毒が懸念されるのであまり歓迎はできませんが(冷静)」
空調は生きてるから平気かなあ……。
「ニサンカタンソチードクがしんぱいですー(いつかの真似)」
「あっ。火の規模が思ったよりデカい。難しそう。」
冷凍室から戻ってきた後。
手を合わせて何かぶつぶつと呟いている。
いつか、いつも死体に向けてやっていた葬儀、紛い物のおいのりと同じものだ。
「おや御機嫌よう。火は……ないですね~。冷凍ルームのレンジで何かしらチンし続けたら点けられますかね(火災案件)」
「悲しいなぁ。火がねえと、死ぬに死ねねえなあ…」
「処刑されるなら火葬がいいのになあ…うーむ…」
「おかえりなさ~い」
騒がしい係の一人が戻ってきた。
火を求めてる人のご希望通り、少しは騒がしくなるだろうか。
びくりとゆれて また一定のゆらぎにもどった……
「ただいま戻りました~NEXT EDITION」
大分遅れたがこれも戻ってきた。
温めた水入りペットボトルを手に持っているけれど、
流石にもうだいぶ冷めているね。ゴク。「ぬる~い」
「こんばんは。火はここにはありませんね……」
騒がしく入ってきた人へ挨拶をして、一応周りを見回すが……。
ライターとかはなさそうだ。
「ただいま戻りました~(再放送)」
またぬるりと戻ってきた。
手に持っていたものは再びシーツの中に戻し、ソファの上に収まる。
さっき来た時はいくらか人数が少なかったから、今日も少なからず慌ただしかったんだろう。
しばらくはゆっくりできるといいな。
「うおー!火が足りねえ!火が……」
「んぁ。いつのまにか静かか?わ、わるかった…」