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>>ネクサス
「…ネクちゃん」
袋の数字を見て呆然として。
「何があったのよ…どうなったらそうなるのよ」
大体は予想がつく。
虚無と言われるところでなにかあったんだろうと、そう思ったらもし今行方不明になってるあの子は。
「ズルでもズルズルでもズルズルズルズルでもなんとでもおっしゃってください!」
「物資供給に関する放送がありましたので念の為、少し多めに資源の消費を計算して…
それでもひもじくなることはない程度に残したつもりです!
私、頭は良くないのでトリアージとかはわかりませんが…
助けることで共倒れになっては元も子もない、ということは承知しております!」
「…テンちゃん……想いなんて言われたら、ボク…返せないやんけ……
ずるいわぁ、ずるずるやでテンちゃん…
それに、アマルちゃんもボクに資源押しつけて…
でも、そうした事でテンちゃんも大変なことになると思うんやけど…」
「ふむ……言われてみれば確かにそちらの方が合いますね。」
「良く言わせて貰うなら『見守る』でしょうかね?
では見守り天使ヨクミスエルということで……」
資源の平均化ってやつか…
やり取りを注視する訳でもなく、箱で買い物をする気も失せれば場所を空ける。
「…それは中立ってより傍観者とか観客っていうんじゃねぇの」
「今日の人の出入りは昨日よりずっと多く、ようこそようこそですね~こんにちは~」
「こんにちは〜っと、久々に見に来ましたね、ロビー…」
「フフ……信じるものは……良いご飯を食べられる……といいですね(願望)
私も今日はパンケーキが食べてみたいって願っておきますか……」
「……なるほど。
それは、……やむを得ないことですね。」
「……私としては、蛇様を匿ったり治療したりはしておりません。
ただ襲ったりはしておりませんし、そうする気もありません。
お亡くなりになってしまったら、祈ることは致しますが。
そういう意味での中立、ということでございますね!」
なにやら ひとびとが
しげんの やりとりを しているのを かんじましたので
たりないは しあわせを いれられるのよ
と、いうように おいのりを してみせました
みなみなー みなみなー
ふらりと立ち寄り、見知った顔にそっと渡すものを渡して何も言わずに立ち去った。
「そうですか!であれば結構!」
がっ。
「私はみなさまが生きて、元気で帰れるといいな~って思います」
がっがっがっ。
資源と呼ばれる金貨のようなものを押し付けていく。
「もちろん私も絶対に帰るというのは大前提! それが私の想いですので!どうか受け取ってくださいね」
「…生憎踏み躙られて来たからな」
「とっくに止めた」
願うのは。
「…中立」
何の話だと問う様に繰り返す。
一つ、言えることがあるとすれば。細い呼吸をしているだけに見えるコレは、現状人を襲うどころか自衛できるかどうかも怪しいと思える、だろう。
もしも演技であるならば、相当な役者だろうな。
しょくじが ごうかに
おくち ぱくぱく
これいじょう ですか
もっともっと ですか
きっと まいしょく ケーキがついたり するのです
てんしさま すごい
わたしは おもいました。
「……もちろん!
テンちゃん想いも、受け取ったでー!」
「ええ友達がおって、ボクは幸せ者やな」
「願いは無ではないですよ~。
もしかしたら天使パワーが届いて……
食事が豪華になったりするかも~ッ!?」
「ちなみに。」
視線の先に意識を向けた言葉。
「私は中立の立場でございます。
他の方々も、大凡はそうでしょう。」
おいのりしたら しあわせよ
にこにこ にこにこ
わたしは しんじてるの
「願って減るものもありませんよ?」
屁理屈だ。
「ネクサスさま!私たちは《絆のバトン》をしましたよね?」
「誰にでも死は平等に訪れます。
ならば握手をしたなら、互いに想いを受け継ぐも同然のこと!そうだといいな~って思います」
「さて、私の想いは受け継いでいただけましたか?」
「がん……願っても何にもならないだろ…」
……いた。
蛇だ。なるほど、此処に囲われていたのか。
人を傷つけても守られるなんて…いい身分だと思った。
天使へ色々思う所は個人的にはあったが……そうか。此処の奴らは命の天秤に躊躇が無いのか、馬鹿な程のお人好しか。
……いや、他の奴らを襲撃した資源であの蛇を治療してる可能性もあるのか。
「ありゃ」
「なるほど、そうでしたか~。
はい!このテン・フカセツ、みなさまにナイショにします!が、」
「ふ~む」
思案。
「こんにちは~~~!
挨拶というのは良きものです!
それは交流の第一歩なのですからッ……!」
「ここで箱を使うということは……
………、何でしょう。……願掛け……?」
「……誰にもナイショやで?
アイちゃん、プールのみんなにもナイショやで?」
そう言って、0の数字が浮かんだ袋をチラッと見せた。
しせんを フードで ふせがれたのなら わたしは きにせず おいのりに もどります
みなみなー みなみなー
おくちだけでとなえて
さちあるほうへ
笑顔にも陽気さにも若干足を引きそうになる。
そもそも、どう見てもこっちは陰側の人間だ。
さっさと帰ってしまおうかとも思ったが……
「……」
「…ちは」
目的はある。
不愛想な挨拶紛いのものを返してから、買い物できる箱の方に寄っていく。
「ヒトより大きいので!耳!」
実際に身体能力に差があるかは定かではない。
少なくともここでは。たまたまかもしれない。
「大きな声では言えないことですか?」
「もちろん、言いたくなければ言わない、という選択も私は尊重しますよ!」
人蛇は来訪者の気配や周囲の喧騒にも無反応で、頭を垂れて大人しく蹲っている。息はしているので死んではいないらしいが、窺える肌の血色は相当に悪いものだ。可能な限りの治療を尽くされた痕跡はある。
「……」
視線が集まるのは苦手だ。
光属性の目も嫌だ。フードを深めに被る。
思えば初日以降、此処に立ち寄ってはいなかった。