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「イエ~~~イッ。
ご清聴ありがとうございましたあ!
お付き合いにも感謝~ッ!
今後ともミナミナの使徒として励んでいきましょうッ!(唐突な名付け)」
……そうでした へびさん いました
うっかり おとを だして しまいましたが
うっかり きづかれて しまいましたが
なんとか なんとか しゃー!は だいじょうぶ だった みたいです
あんしん あんしん
ひとあんしん
話し声、拍手。そのどちらにも殆ど反応を見せず、目を閉じ、蹲っている。
表面上穏やかには見えるだろう。
ぱちぱちぱち
はくしゅを しました。
てんしさま きらきらね
てんしさま すてきよね
こわくないの こわくないの
てんしさまが いるから
どんな しれんも しれんじゃないの
……朝?の演説はこんな所だろう。
これを言ったことが、実際に『試練』が訪れた時の防波堤になるかというと……
……そう上手くは行かないような気はするが。やれることはやっておく。
今後には備えなくてはならない。
「……かつて天使フォーミュラ様は仰っておりました。」
「『死は恐るるものではなく』『痛みや辛さも忌避するものにあらず』」
「……そう、それらは試練なのです。
人間様方が生きている限り不可避の試練。
訪れない、ということは無いのです。」
そうでなければ、現実から乖離したものになってしまうから。
「──ですから、共に乗り越えて行きましょう!
痛いかも知れません、辛いかも知れません。旅に出なくてはならないかも知れません!
しかし、その先に……安らかなる救いは、確かに存在するのですから!
例え何があろうとも、この天使、皆々様方の救いを保証するものです!ミナミナ~!」
「……………」
「………」
「皆々様方、おはようございます!
新しい朝がやってまいりましたね~!」
「……」
いきを こぼして
わたし わらいました
なぁんにも しらないのね
おいのりも おるすばんも してないからね
「……ぃ?」
ろうそくさんが つぶやいたこえで ふと めをさましました
……ここが あぶないわけ ないのにね
てんしさまの ばしょ
おるすばんの ばしょ
ここは あんぜんよ
うるさい そうこより
しらない どこかより
ずうっと ずうっと
あんぜん あんぜん
いいこにするの いいこにするの
なのかめきたら たすけてもらえるの
「ん いなーい」
人々 確認
眺めて 首回し
満足 したなら また移動
「ロビー あぶない から」
「ながい だめー だって」
それだけ 残して
ぽてぽて と 次に立ち入るのは
危ない って言われた ロビー
確かに 蛇はいるけど
他も 結構いるな って
意識が浮上する。
起き上がるのと同時にずり落ちたシーツを見て、誰かが掛けたんだと理解する。
「…」
咳、ぐにゃりと歪む視界。
「…ぁ」
おぼつかない手つきで身の回りを探して、見つけて、吸い付く。
煙草、ではなく薬。
「…」
しばらくして深く息を吐いた。
小さな子も、青い髪の彼女も、顔が黒く塗り潰された彼も…加えるならもうひとりの天使も。
もしも、いつか、彼らが死んでしまったら、今度こそ、今度こそ。
安堵のまま二度寝をきめる。すや……
ここに来てから寝てばかりである。
……たくさんのわたしの記憶を見たくないので。
「むにゃ……うん?」
二度寝をきめようとしたが、へびさんの様子を見ようと思い至り渋々起き上がり……した覚えのない処置に気づく。
誰かがしてくれたんだ。
「……ありがとう」
どなたかはわからないが、(情報に疎い頭お花畑視点では)かわいそうな野生動物を生かそうとするのが自分だけではないことに安堵する。同じ志に、届かぬ感謝を小声で述べた。
「…」
ある程度手当をした。
そのまま何も言わず離れていった。
手当されているとはいえー……。
起こさないように追加で手当をする。
…
……
「自分が持っているなら差し出せ。命でも」
これはただそう教え込まれた哀れな実験動物が勝手にやったことだ。
見ていても動く気配は無い。不格好に緩んだ蜷局上、頭を垂れて、両腕を垂らして、微かな呼吸を繋いでいる。
これは近づいても変わらない。身体に触れて揺さぶるなどすれば、ようやく薄く目を開ける。それくらいだ。
「…」
資源を見る。ひとつぐらいなら。
箱に近づき、資源を入れる。
「……」
静かなロビー。
前プールにいた蛇を見る。
傷がある。自分と同じで襲われたのだろう。
何やら不穏な話も前聞いた。真偽は不明。
ぼやけた思考を回せた時間は大して長くなく、精々数十秒のこと。ぐらりと視界が揺らいで、また意識が落ちる。
きっと傍らの親切なヒトが起きたときにも、ほとんど動いた様子無く頭を垂れて静かな呼吸を続けているのだろう。
此処に来てから変なことばかりだ。矢鱈喉は乾くし腹は減るし、身体が思うように動かない。鱗はいつの間にか柔くなって、刃物を容易く通す。
「……………」
分からないな。死に体のものを繕ったとしても、いい的になるだけであるの、に。かれらのことばが分かれば、問うことが出来たのだろうかな。
眠り、というよりは気絶に近い断続的な意識の喪失。瞼を持ち上げる。息をするだけで傷口が痺れる。
これは動けないな、と思った。次に狙われたらもう、ろくな抵抗は出来ないだろう。休まなければ…休んで、どうにかなる傷なのだろうか。
ざざざ、ざざ
その音を聴いて、聴いて。
ただノイズの画面を見つめて。
ふとしたタイミングで、立ち去って行った。
シーツを纏った影が、ふら、と音もなくやって来た。
ただ、意味もなく、徘徊していると言ったところか。
ざー、ざー、ざー
その音に惹かれたのか、
砂嵐の流れるテレビを、ただ見つめていた
ただ、ずっと、他に意識を向けず、
ノイズを見ていた。
「おぉかえりなさいませ……(まだ起きている)」
「………………」
上手くは運ばなかったようだ、と思う。
ただ上手く運びそうにない、とは思っていた。
未だ祈りを知らぬ貴方にも、
探る道先で得ていくものがありますよう。
それは必ずしも、穏健で平穏なものではないかもしれないが。
進まないことよりはきっとよいこと。
「おぉやすみなさいませ……」
「ただいまもどりました……」
「……まぁできることはしたので、あとはなるようにしか……」
しゅんとしつつ、とぼとぼロビーに戻ってくる。
「極限状態でリスクを減らしたいのはわかるが、……あぁ、」
今更腑に落ち、今まで言葉を交わしていた二人に急激に申し訳ない気分になる。
「そうか、わたしは……」
もとより生きて帰る気がないから、人々と行動原理が合わないのか。
すとんとへびさんの傍に座り。そのまま寝息を立てる……。
「あっツナちゃん様。ようこそいらっしゃいましたね……(寝迎え)
どうぞお休んでいってくださいませ~ミナミナ~……」
「……人が来ると嬉しいですね……」
プールを抜け出し、ロビーにやってきた女。
そのままどこかのソファに座り眠りにつくだろう。
「……ふわふわ様もおやすみなさいませ。フフ、……」
「よし、私もそろそろ眠ります。ポスッ(ソファ着陸)(シーツ引張)
どうか皆々様方の、今と未来が安らかであらんことを。ミナミナ。」