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いたそうなひとに くびをかしげました。
そして さんぽに でかけたので てをふってから おいのりしました
みなみなー みなみなー
「私の方がよっぽど狙われそうなのに……何故……このまま休み続けていてよいものか……」
「ハッ、おはようございま……いってらっしゃいま、……… だ、大丈夫ですかねえ~……」
「……頭、痛い」
無理が祟ったかな。寝違えた。
椅子に腰掛けたまま寝るから。
格好付けて毛布を貸したのも一役買ってるかな。
見事なまでに全身バキバキ人間の完成だ。自業自得。
「……痛い」
一朝一夕で腕の痛みは治まらない。
痛み止めが欲しい。痛みを忘れたい。
気が紛れたら良い。散歩に出掛ける。
「……あー……。……そうですねえ……。
いや、ええ、うん。……安心は出来ませんね~……」
昨日の様子を思い返す。その猫の子がこの蛇に対して剣呑であったのは、……
「……普段食べてる動物に似た相手を襲ってるとかもあるのかなあ……」
「オレなんてあちこちふらついてる葬儀屋だからさ、それでこそ得たいの知れない奴とか思われてそ。」
「ん、おやすみ~暗くなる前に起きてね。」
「あ、天使の片っ方。…猫の子がまた狙われたって話聞いてるなら誰かが確実に狙ってきているって可能性あるかも。理由はわからないけど、考えられるとしたら何考えてるかわからないとかかな。」
「案外集まりの子たちを守るために~って考えちゃう子いるかもね。気をつけなきゃ。」
確かに。これの牙や口元は暗闇が挟まった間に血に濡れはしなかった。
ただしそれは殺しを企まなかったという証左には不足だろう。【相手が警戒していて】襲うことが適わなかった、という可能性もあるため。
人々の懸念を余所に、人蛇はのびのびと床の一辺を陣取って寛いでいる。なんなら眠そうですらある。
おかおないひと おやすみね
おつかれさまと いのります
あなたがいのりを しなくても
あなたがそれらを どうおもっても
みなみなー みなみなー
「昨日、暗闇が訪れる前に私が散々目立ったんですけど、襲われることはなく、
その場の誰かを襲ったようでもありませんでした。
見境なく襲いまくる怪物様、というわけではないのかもしれませんが……
……別の懸念として、この方がまた襲われて、またロビーが血と惨事の場になる、
というのはあると思うのですよねえ…… と言っても言葉が通じない以上、
出来ることは…… 私達の、覚悟………ぐらい!?」
へびさんがいると おへやの おおきさが ちいさく なります。
わたしが ちいさいのか
へびさんが おおきいのか
どちらかなのでしょう
どちらもなのでしょう
ながい ふくを みながら おもいました。
「おしまい。大人しくしてくれてありがとうね……」
とても楽だったので感謝を述べ、もたもた医療器具を回収したのち元いた壁際に戻った……とはいえ慣れない巻き方にちょい疲れたのかそのままごろ、と横になり、そのままねむる……すや。
てんしさま てんしさま
いるからうれしいわ
いるからたのしいの
みなみなー みなみなー
治療されていることは分かる。
ただ、それが何故なのかは理解できない。人蛇の価値観において、弱った他者を好機と見て襲うことはあっても助けようとするという選択肢は存在しない。
ゆえに感謝だとかは見られず、変なやつ…という感想である。幸い表情には乏しいため、その辺りの思いはほぼ伝わらないだろう。
「天使もね わかりませんでしたね 蛇方はね……専門外で……」
「ミナミナ~ミナミナ~………」
「おぉ……よしよし。治療概念がわかるんですね。心が通じたようで何より……」
抵抗もないのでてきぱきと、昨日と同じように血のついた包帯を新しいものに取り替えた。
「みんなわからないか~」
「まー、何もしないでくれるなら、オレも手出さないから。そのままステイ、ステイ。ラブ、アンド、ピース。」
小さい子の真似っこハート手振り
傷口周りに近づけばやはり多少の抵抗は… 珍しく、無いだろう。
目を丸くして凝視してはいるが、なんだか分からないけど貴方がこちらに悪いことはしないらしいな…という理解は得ているらしい。床に伸びた姿勢のまま大人しくしている。
へびさんの ことば
わからないね わからないね
てんしさまも がんばってたけど どうなのかしら?
こてん くびをかしげました
「まぁ多少噛まれてもいっか……毒は勘弁してくださいね。たたきますよ」
にじり寄り、傍に座り込んで包帯の取り換えを行おうとする……
これが解しているのは、せいぜい自分が「へび」と呼ばれていることぐらいだ。
蛇語を操れない限り、聞かれたくない話をしていても基本的に無反応だろう。
「えぇー? ……なんか斜め上見たりしてるしあまりわかんなそうじゃないですか?」
印象。
寝なさそう。瞬き頻度が人間に比べて少なめな赤目がじっと治療者を見ています。
「その蛇ってさ、オレたちの言葉一応わかる感じ?」
「乱れてはなさそう……あの巻き方で良さそうですね。……寝てる間に包帯取り替えられたらと思ったんだが起きちゃってるしなあ。もっかい寝ません?」
寝ないよ。
おててを ふられたので ふりかえしました
そして らぶ にあわせて おててを ハートに しました
にこにこ にこにこ
「ん、」
にこにこしている子に手を振る。
どこかに行く様子はない。
「大丈夫そうだね。今日もここで襲い、襲われないことを願うよ。ラブ、アンド、ピースだ。」
近づくなら形だけのシャーはあるものの避けないのでお飾りである。嫌そうな顔もしていない。たぶん。
殆どこの場から動いていないため、包帯はほぼ乱れていないだろう。
声がすればそっちの方をちょっと見はするが、身体を起こさない。だらけきっている。踏まれたら流石に抗議するかもしれないが。
「んんんよく寝たけど床がかたい」
わがまま。のろのろと立ち上がり、できるだけそろりとへびさんに近づく……包帯はよれたりしてないだろうか。人体とは違うようなのでどう巻いたものかいまいちしっくりこなかったが。
どこか いくのかしら?
どこへ いくのかしら?
かんがえてる ひとに にこにこ にこにこ
おるすばん できるのよ。