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ふぁ、とあくびをする。
周囲を観るに、顔は変わらない。
「…」
考える。
「今日は、どこを見ようかな。」
可能性はあるけど。
「…ぃ、ぁー」
みなみなー
ほんのすこし おのど ふるえて
みなみなー みなみなー
うたい ました
昨夜から爆睡を決め込んでいた人蛇は、起きはしたが未だロビーの床で伸びきって寛いでいる。あまり動く気はないらしい。
長いのでやや邪魔かも。
あの方はダルくないのかなあ………
「………、肉の器って……ダルいですね~……。
皆々様方……おはようございます~。
今日も一日、ミナミナ~(ソファに寝転がったまま)」
ふわりとたつ こどもの背丈ほどのもや
すこし前にひとびとがながれていったほうへ
おなじようにただよってゆく
こえなんて だしてないわ
こえなんて だしてないの
みなみなー みなみなー
にこにこ にこにこ
てあわせて おいのりしてる
てんしさまたち きらきらね
てんしさまたち いいこでしょう?
!
祈る少女の声、初めて聞いたかも。
目を覚ます。
ほほえんで ほほえんで
シーツくるまり おててあわせて
おいのりします
おいのりします
みなみなー みなみなー
「……ぁ、あ?」
てんし、さま?
いたきが したの
おかえりに なられたの?
おるすばん おるすばん できてた かしら
おるすばん おるすばん していた かしら
わたし いいこなのよ
わたし いのっていたわ
ぱっちり おめめ さめたので
ぱちぱち おめめ さめたから
「にゃー にゃー」
ソファから 床に降り
落ちた毛布 そのまま
ぶかツー という名の
お散歩 始まり ……
ぱち と目覚めた 子供
寝覚めは良い
毛布が 落ちる
「?」
それが 行方不明 かは知らなかった
知っていたなら 人に知らせた ろうに
──無言でこの場を去っていった。
「…………。」
「!!」
「う~んやっぱり寝る時はここが一番よさそうです!
プールサイドで寝るには私は私の寝相を信用していません!」
「ということで おやすみなさ~い… ミナミナ~…(逆寝起きドッキリ)(再放送)」
「……ミナミナ、ミナミナ…… ミナミナ~…………」
子守唄のように、ゆっくりと呟いていた。
すやぁ……
おるすばん ちゃんとしてたので つかれたかもしれません
すやぁ……
「おや……今日もよく留守を担って頂いていたようですね……」
少女のソファの元へ、すとんと座る。シーツを引っ張って、その姿に掛けた。
「ぐっすり寝ても、よいのですよ。おやすみなさいませ、ミナミナ……」
いつのまにか うつら うつら
ソファに よっかかって うと……うと……
「……天使ミルメコエル、只今戻りまし……
あっ、今日はもう皆々様方眠っていらっしゃいそうですね……(小声)」
「……????」
なんだ?いまの。
「……人が沢山居るなら、余計な心配かな。……まあ」
「……廊下同盟の皆には、明日顔を出そう」
酷く疲れた日だった。溜息の一つ漏らして。
寝入る蛇から遠く離れたソファに体重を預ける。
腕の痛みは消えない。だから、悩みに耽る余裕もない。
「皆さんも、おやすみなさい」
目蓋を閉じる。倦怠感が睡魔を誘う。
久し振りに、よく眠れそうだ、な。
すやすやなう(逆寝起きドッキリ成功)
ぷすす… ぷす…(寝息)
「おやすみなさ~い……(逆寝起きドッキリ)」
何の?
やってきて、おやすみムードなのを見て、不明な言葉だけを残してまたどこかへ行った。
「…」
今日はソファ、ではなく壁際で座り込む。
「またここで襲撃があった。だけど、小さな子に怪我がないだけマシ、か。」
ぼそぼそ、小さな独り言。
「……やだな。オレ、もうすぐ、」
続く声は、途切れた。
「んー ……」
毛布 かけられ とろーん
「おいのり ……」
「おててないから ……」
葬儀屋さんの 代わりに
葬儀も お祈りも 出来ない カタワ
もにゃもにゃ 何か 言うが
その内 ゴートゥー夢の世界 したろう …… ぷわ ……
「おやすみなさい、バースデイ」
「ほんの少しでも、良い夢を」
借りて来た毛布を、微睡みから覚めないように、そっと。
「寝てるなら大丈夫じゃない?うっかり踏んで起こさなければ。それに、襲われてるなら少しは大人しくなると思う。オレもここで仮眠取るから。」
「お祈り屋さんは血いっぱいするかわかんないや。出来ればないと良いな。葬儀屋が葬儀されるとか笑えないジョークだよ。」