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「襲われたなら、少し大人しくこの場から離れた方が良いかもね。猫の子みたいにまた襲われる可能性があるかもだし。」
「金貨の余裕があるなら良いけど、余裕のある奴を狙うかもだから、キミも気をつけて。…気が狂いそうだけどこればかりは。」
「うーん? 先ほどの金貨の増量のおかげでまだぜんぜん余裕あります。
怪我している人の人数もそう多くはないので…
医薬品、質がいいのにすごくお安いし……
ちょっといいですねここ。永住したいくらい」楽観的。
「今日にしても、負傷者は絶えていませんしね」
「確実に数人は、襲う機会を掴もうとしている人が居る」
適切な手当の施された腕をさする。
意識しだすと、やっぱり痛い。
「ところで、ナデシコさん」
「手当して回られていましたが、もう金貨を随分使ってしまったんじゃ」
「…怖いのは、そういう集まりの中に紛れて機を伺ってるとか、かもね。内側から崩れるって言うし。」
「段ボールの姉さん行ってらっしゃい。平和的な安全地帯になってね~」
「スライムがプールの王なのに……?」
「プールなんかは安全地帯にするため力入れとるらしいで。なんかあったら協力したってや〜」
「段ボールは濡らさへんよう気をつけるで。まあこれ倉庫に大量にあるやつパチってきただけやから…」
案外頼りになるペラい盾を片手に、外へ。
「おきをつけて」
ペラい盾。頼りになるのだろうか……
「そもそも流血沙汰が起きる方が変ですから」
「ずっと平和に、賑やかなままで居て欲しいです。皆さん」
「お気をつけて、シホさん。ダンボール、濡らさないようにされてください」
「廊下もだし、プールもだし、倉庫もだし、そういう集まりが出来てたら平和的だね。」
「ま、襲われている人がいるのも事実。気をつけようね。」
「流血沙汰ばっかじゃ気ぃ滅入るからな。ぱーっと賑やかしいほうがウチは好きや」
「せや、みんなで協力、仲良ぉあと数日過ごすのが一番やね」
「…そういやシャワールームだけずっと様子見に行ったらんな。見に行くかぁ」
ダンボール片手に立ち上がった。
「毛布を借りにいったとき、凄く賑やかでびっくりしました」
「繋がりが深いのは、きっといいことです」
「無闇矢鱈に争わないだろうし。……ん、と、考えておきます」
シャワールームがハブられている。
あおいてんしさま
かくれてる の?
くびを かしげます
なら あんしん あんしん?
「それぞれ居場所があるんですねえ……なかよしなら争わずに済みますし」しみじみ
「うんうん、キャバクラ状態の盛り上がりなら平和そうで良かった。どこもかしこも流血沙汰だったらおしまいになるからさ。」
「あかんかんでもうた。倉庫、や」
「あっはっはっ。まじでうるさいであそこ」
「仲睦まじいのはほんまや。あれはあれで絆深めとるんやと思う」
「倉庫もプールも通路も、皆んな仲睦まじくやっとるみたいやね。…ここもかな」
「そうかは一度怖いもの見たさに行ってみるとええで」
「へえ……」
「全然意味がわからない」
「仲睦まじい空間な事だけは理解しました」
私は未成年なので近寄らないでしょう。おそらくは。
「きゃば……? ロビ―とは別の方面でやかまsにぎやかそうですね」
「せや、倉庫はキャバやぞ」
「あそこには癒しビームを放つ歌の上手いキャバ嬢とツッコミ左大臣と悪魔とよい子たちがおんねん」
「あの天使様も誰かに襲われたと言っていたような」
「だったら、隠れてるのも無理ないかもね」
「百寿まで大往生させていただきます。……ん、きゃば?」
「お、プールの主のスライムだ。」
「え、待って、倉庫がキャバクラ?何それ。」
「そのまま老衰まで延々と丸儲けせい」
「ロビーは天国、倉庫は地獄、確かに言われてみればせやな」
「いや倉庫はキャバクラなんやけど…」
「落ち着くまで待ったほうがええ、はせやけど。…抜け道なぁ…」
「こんなとこにあるんかいな、抜け道」
スライムがプールの主なんだ。
人間と共存出来ているってことなのかな。現状は。
「隠れるのが相当うまいのかもしれませんね」のんき。
「本人が落ち着くまで待ってあげたほうがいいのかも……」
「はい。今回ばかりは丸儲けさせていただきました」
「倉庫に悪魔が……?ロビーは天国、倉庫は地獄ですか」
「……もしかして、抜け道があったりするんでしょうか?」
「あれ、プールの主スライムやん。ここからの珍し…もう行ってまった」
「…確かに人骨は…言われてみればそう見えるなぁ…」
「んん。スライム……やっぱり怯えさせてしまったみたいだな」
逃げ帰ったのをみて軽く肩を落とす。
謝ったほうがいいのだろうか。人語が通じるかはともかく。
「わるいことしたな……でもあれどう考えても人骨だよなあ……」
とはいえ浮かんでるものがものなので、いまだ信用しきれない……。
床を滑ってロビーにやって来たスライム。きょろきょろと辺りを見渡して、初めて来た時の場所だと理解した。
何人か見覚えのある顔を見つけると、ぴょんと軽く飛び跳ねて、すぐさまUターンして行った。