閲覧者へ:編集禁止。資料閲覧のみ許可されています。
「なんだかんだであの悪魔もええやつ…裏は知らへんけど、少なくとも普通に話す分にはええやつやから。コレはほんま」
「プールに常駐しとる奴らにもおらへんかったよ、青い天使」
「…」
「通路にもおらへんかった。シャワールームは朝からいっとらへんでわからへんけど」
「……どこいったんや…?」
「悪魔。そういえばいたね。他の天使とやんややんやしてたみたいだったけど。そこでやりあわなきゃいいな。」
「おや……ほかに隠れられそうな場所なんかあっただろうか。
わたしはプールのある部屋には入っていませんが、どこかいい感じのすきまとかあるのかなあ」
「ドヤ顔が見られんのが悔しいな。めっちゃ見たい」
「生きとるだけで丸儲けやね。シダレも丸儲けでよかったわ」
「青っぽい天使?…」
「いや、倉庫で常駐しとる中にはおらへんな、青っぽい天使」
「ちゅーかあそこ根城にしたら中に悪魔おんねん。天使いたらめちゃ嫌がると思うで」
「青っぽい天使。昨日オレが寝たきり見てないね。襲われたって聞いたけど。」
「はい、私がシダレです」
「不幸」「生きてるのでラッキーです」
「ただ、青っぽい天使様、見掛けていないなあと」
「よ、姉ちゃん。…ああ、あんたがシダレかぁ…」
「調子が大丈夫そなら何よりや。今回は不幸やったね」
「…なんや、倉庫に探し人か?」
「ふふ。そうでしょうそうでしょう……」
どややや……ほめられてうれしいね。
「安全な場所にいてくださってるといいんですが……フォーミュラさま」
しんぱい……
「げ、蛇おるやんけ。蛇まで手当てされとる〜」
「そこの嬢…ちゃうな、真っ黒にいちゃんが手当したんか。完璧や。流石やね」
「あいにくドヤ顔が見えへんのが惜しいところやけど…」
「木を隠すなら森の中ってやつかな」
「倉庫は賑やかなイメージだし、隠れててもばれなさそう」
「あ、シホさん。調子は大丈夫。暫くすれば尚更に」
「応急手当はしました。全快とまではいかないかもしれませんが、お二人とも動く程度には問題ないはずです」
わたしがやりました。どやどや。
脇腹がっちり包帯付きの人蛇は、変わらず蜷局を巻いて大人しくしている。
シャワールームに戻るのはもう少し後でもいいかな、という気分だ。やや顔色が蒼白気味である以外は平然としているように見える。
「ちゅーわけで事件現場に来てみたんやけど」
「処置も済んで穏やかさが戻ってきとる頃やったかな。どない?調子は」
ダンボール盾を片手に。
「襲われたのが怖くてどこかにかくれていらっしゃるのかな……
隠れ場所があるとすれば倉庫くらいでしょうか」
「フォーミュラさん。……?」
「全然見ないね。丸一日見てない」
「そんなに広くは無い箱庭なのに」
「おお……ねこが嫌いな人々もいるんですね……ねこアレルギーかな……」あわれみ……
「ぱん ぱん ぷー」
ぽてぽて 歩き出す
ふらふら 彷徨う お誕生日娘
「そういえばフォーミュラさまの包帯をそろそろ替えてあげたいですが……」
きょろきょろ。ロビーにはいらっしゃらない。あとで探しに行こうかな。
二度漬けしちゃったな。
「多分今頃は廊下とかに寄ってるんじゃないる」
「昨日も付け狙われてたし、誰かに嫌われるようなことしたのかな」
「黒っぽくてすらっとした」
「ほら、えと、語尾が……まるまるにゃの人」
「きちんとした手当はしてない筈だから、声掛けてみるよ」
「にゃー にゃー」
分かんなかった おわり
「あぁーなんかねこっぽい人ですね。ありがとうございます」
さっきいたような。またいたら声をかけてみよう。
「にゃー ?」
ちょっと 考えた
…… …… ……
…… …… ……
「黒っぽくてすらっとした」
「ほら、えと、語尾が……まるまるにゃの人」
「きちんとした手当はしてない筈だから、声掛けてみるよ」
あ、呼ばれたかも。
蛇の語句に反応してふっとそちらを見るが、視線を留める時間は短い。何回か見た人であるため。
つまり つぎには へびさんが ふえたりして?
おててを にゅろにょろ~
ふえてしまうの かしら?
「ミーケ ?」
「へびとり へびになる」
「へびつかい へびになった」
「おや……あまりひどそうなら治療するので、その方にもよろしければ言っておいてもらえますか」
怪我してそうな人がいるなら気にするが、ロビーからはろくに動かない構え……。
廊下に行く彼女に手を振る。
「そっか。蛇、ミイラ取りがミイラになった的な感じかな。」
「ま、死体が出なくて良かったよ。」
「他の子はどうだろ」
「ミケさんも怪我してたけど」
「わからないね。そろそろ様子を見に行こうかな」