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「シダレ ニーリ ……」
「結構なお点前でした」
「動くのに問題が無いのは……よかった」
「ニーリさん。今手当をしていただいたので、怪我は大丈夫です」
軽く腕を回してみる。……うん、動くけど、全然痛い。
利き手じゃないのが幸いだった。またひとつ、幸運だ。
おなじく けがないので すみっこで
おいのり おいのり
人 増えた
怪我ない 方だから
ちんまり する
「シダレさん居る……?」
襲われたと聞いてニーリさんの後からヒョコっと顔を出す。
そうだ ごはん
たべます のみます
おいしいです
「シダレさんが怪我したって聞いたから、どんな様子か見に来たんだけど」
「……大丈夫そうか?」
「ん ない」
「なんにも」
ぴかぴか 子供
怪我した人 眺めて頭が巡る
「へび なにもしない」
「しぬのは たんじょうびじゃないから しない」
「でも おかねつかえない」
「ごめんね」
何も出来ない おててないない だから
獲物になったら すぐ と思うから
「そうですか? どやどや……
ふふ、よかったです。傷が開かないよう少しきつめにしたので、
あまり激しい動きでなければ動けもすると思います」
ふつうに喋れてもいるし、もう大丈夫だろう。広げた医療器具をもたもた回収する。
次は蛇さんのほうだが……ちら、と一応視線を送ってみる。
なんか周囲威嚇してそうだけど近づいても大丈夫だろうか……。
「んもう。いいよーだ。自分のご飯は自分で確保するから」
拗ねて勝手に生き返った。
「バースデイ。君に怪我は……なさそうだね」
「まだ、誰も死んでない……はず」
「ずっと、見てない子は居るけど」
へび、と呼ばれれば緩慢な仕草で視線は動く。気を引いて何をしようというのか。
傷口からは勢いは弱まりつつあるがまだ緩やかに血液が溢れていて、装束に赤黒い絞り絵を描いている。
かち、かちと、寄るなの意を込めて牙を鳴らすけれども。目立った抵抗というとそれぐらいで、気にされている腕無しの子に何かできるってわけではない。
つまりご自由に、である。蹴飛ばすぐらいなら容易に出来るだろう。
しんじゃった? しんでいる?
……でも、いのってるひとより ふわふわのひとより みえている みえているの
……ちのにおい……は、わかんない、けど
おるすばん ちゃんとできるわ てんしさま
かえってきてねの みなみなー みなみなー
「偉そうにふんぞり返って……?全然、想像出来ないね」
「まだ、じんじんしてるけど、血は止まったかな」
「ありがとう。ナデシコさんのお陰で落ち着けた、気がする」
眼の前に居る黒塗りの青年は謙虚そのもので、
ふんぞり返ってるところ、全く想像が付かなくて、
微笑みのひとつも自然に浮かんだりして。
「エッ~!ではいつものように明るく盛り上げてしまいましょうかね!?!?!?!なんて。」
「ご静養なさって下さいね、シダレ様。では……」
「えっ」
「し した ?」
「………少々不安ではありますが……… ………今のところは……」
蛇、と呼んでいた方をちらりと見てから、……深そうだ。……
「私も少々外を見て参ります、皆々様方から、少しでも恐れが減りますよう。ミナミナ。」
「……ってて〜。あたしもやられちゃったかも」
「ほら、証拠に名前がこんなことになってる」
「ご飯食べれば治りそうだけどな。う〜ん。う〜ん」
「そう」
胸を 撫で下ろす 手はないけれど
剣呑な雰囲気 良くないから
そこで 終わり
「へび ち してる」
「いたい ?」
脇腹に深手を負った人蛇は、気力を振り絞って辺りに警戒の目を光らせている。寄られれば普段の3割減ぐらいの威嚇が飛んでくるものの、大きく動きたがらないので置いておく分には比較的安全だ。
「天使様はお気遣いしていただけるだけでも」
「剣呑な雰囲気が続く方が、きっと、よくないので」
しんでないわ
そういうように くびを ふるふる
ちのにおいはするけど このくらいは ふつうだもの
「ええ、今日も、ひとりも。」
誕生日の少女へ、安心させるように
「最初のわたしの記憶みたいです。
えらそうにふんぞり返って、怪我した人を魔法で助けてました……
マナが尽きても見捨てるわけにはいかないので、物理的な治療も少しはできたようですね。
もちろん、プロには劣りますが……」
プロに劣るというのは謙遜でもなく事実らしく、時折手が止まりつつも、基本的には滞りなく治療を進めていく……。
あらかたの処置は終え、どうですか、と言いたげに。顔色をうかがうように少し首を傾げた。//医療品を送りました
ぽて ぽて
身奇麗な 手の無い子
怪我なんか 1個もない
「…… ち した ?」
「まだ しんでない ?」
「……治療の手についてはお貸し出来ますので、必要であればお声がけ下さい。
この段階となっては不要になってしまわないかを危惧して、勝手にはしておりませんが……。」
「………私は……… いえ、もっとお力添え出来れば、よいのですが………。 ……ええ、ミナミナ~……」
「……っつ。……いっ……!」
「……慣れて、ますね、ナデシコさん」
「よく、手当だとか、されていたんですか?」
手当の痛みに顔を顰める。良薬は口に苦い。
お陰で気を失う羽目には遭いそうもなかった。
(増えた資源を眺めている)
てんしさま てんしさま
てんしさまに ちかづいて にこにこ にこにこ
よかったわ よかったね
きっとこれも てんしさまの おかげね
にこにこ にこにこ
みなみな みなみなー