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血の匂いがあまりにも濃い。当然だ。自身も深手を負っていて、見える限りでは血を流している者がいて………いや。
定まらない視界の端に、動かぬ肉が1つ。食いつくには苦痛が勝るが。誰かの獲物、だったのだろうな。
「……?」
けがしているひとたち それよりも おもい くらい けはいが あった ような?
……きのせいなら いいの だけど。
「あ、あれ……見間違えたかな……」
血の匂いが濃い空間だから見間違えたのかも
(すいません…バグだったみたいです……)
「シダにゃん、大丈夫にゃ?」
怪我をした知人の方にいき。
蛇はもとより警戒していた相手、優先はできなかった。
「疑わしきは罰せられた……」
「推定無罪の原則は、消えてしまったのか……」
「……蛇の人、生きて」
「…………ぅ」
脇腹からだくだくと溢れ出ているだろう赤は、
紛れもなく、血液のそれで、日常には、有り得ないもので。
胃酸が昇るのを感じて。口を手で抑える。呼吸を、整えないと。
「というか…その……」
触れていいかわからない…リストの赤い文字に。
見えているなら、この場所に一人、倒れている人が
「(どっちにしたって、誰か死んだらその時が合図かにゃ。
日和見はできなさそうかにゃ)」
自分の状況、顧みつつ。
「あ、蛇さん、襲われたんだ……」
さっき見た顔が丸まっていて、横目でちらりと見た
「(シダにゃんと蛇の人もやられてる…
蛇の人はあからさまに危険な匂い出してたから当然なブブンもある、といえにゃくもにゃいけど。
……蛇の人を狙ったのは複数人かにゃ。随分……)」
けがしてるひと おおいです
きょろきょろ かくにんして やってきた ひとには ぺこり します。
「わ……やっぱりロビーだと襲われてる人多いね……」
いつもは倉庫にいる子供。情報収集にやってきた。
「ふつーのときの倍、120コインくらいかにゃ。
気を張り詰める分消耗が早いにゃ」
「みんな気が早いんだねえ。もう終わりなんてアナウンスされたわけでもないでしょ」
「情報交換は落ち着いてからのほうが無駄なくて良いんじゃない」
にこにこ にこにこ
どこも なにも ありません
だって おいのり してたもの
だって わたしは いいこだもの
「……っは、……はぁ」
「……一瞬暗くなった。……っつ、う」
暗転、僅かな間だったから、
誰が誰で、とかはわからない。
腕には切り傷。止血をしなくちゃ。
明かりが付いたとき。やはり何事かを企んでいたのだろう人蛇は、消える前とは違う位置に居て…
ざっくりと裂けた脇腹辺りを赤く染めて、丸まっていた。致命には到らない。が、同じ傷をもう一度受ければ、おそらく命は無いだろう。
「へーきにゃ~。むーにゃんは大丈夫にゃ?どこもケガしてなあい?」
「ちなみに、備えているのにどのくらい余分の資源を使ったか聞いても?」
みけねこさん だいじょうぶ?
ちかくに いましたが なにもしらない わたし
しせんを むけます。
わたしは げんきです
おいのり してましたから
みなみな みなみなー
「やっぱり、襲ってくる相手はいるみたいにゃ」
覚悟をしていた分マシ。
とはいえ、気力はずいぶん消耗して、その分コインもなくなったけど。
「僕も嫌われたもんにゃね~」
「あったみたいですね、なにごとか」
「私は無事です」
「ほかも、何事もなければ良いのですが」
「…… ふー……」
暗くなった視界。危険の中、誰かに、襲われた。
…幸いだったのは、心構えをしていた事。
「…狙われてるにゃあ」
なにも ないといいです ね
さけぶ てんしさまの おこえに あわせて
おててを たたいたり しています
「てんやわんやしてるし……」
「ア~~~~~~~~~~~~~」
「おお………お? これは……私の"思い"が……通じたのでしょうか!?」
恐らくそんなことはない。
「起きなければいいんですけど!何も起きなければいいんですけど!
何も起きなければいいんですけど!いいんですけど!!!(四連呼)」
人蛇は蛇コールを続ける天使を見つめていたが、しばらく後に視線を逸らしてす、と目を閉じた。
大人しく見えるだろう。今は。