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「ま、でも二人が無事でよかったわ、変な事件に巻き込まれてたりしてって思っとったけど、杞憂やった!」
そういう同盟が組まれていることは聞いた。
入ったつもりは、なかったんだけど──
……。
つい、つい、とスマホに文字を打ち込んでいく。
『和気あいあいとした雰囲気が少し苦手なのと』
『さっき、女の子同士がいい感じになってて』
『ちょっと近寄りがたい』
「めっちゃやっぱりか〜みたいな顔するやん」
「メイドの姉ちゃんとは通りかかった時に声かけられるくらいの仲やねん。それなのに見かけなかった、なんて聞かれるん、三つ編み娘のこと相当心配しとるんちゃうんか?」
「何があるんか知らへんけどな〜ウチんお節介やな、これ」
「資源が食料に変わる間。……シホさんと擦れ違った後だから」
「私も気付きそうなものだけど、一瞬なら……う~ん」
「種も仕掛けもある手品みたいですね。なんだか」
「大丈夫なら良かった〜!」
ほっとしたみたい。
元気そうなのを確認!
「ロビー……人探しの人、多いみたいだね……?」
「オレはプール行って、倉庫行って、シャワールーム行って、廊下行って、暗くなった時はここにいた。そしたら襲われたね。」
「……もしかして、アキも廊下同盟の一員?」
「あ、元々違うんだっけ……女子高生同盟?だっけな」
「廊下へ戻るのが、なにか、気が進まない理由でもあるの」
「人の出入りが無いことよりは、出入りがある方がずっとよいことですよ!
人類様方の防犯もその様なものであると天使、知っております~」
「ウチがシャワールーム出たあとすぐ暗くなったでな、確かやけど」
「あれま、魔法使いと胡散臭糸目やんか。探させとったから?堪忍な。ここ迷子ロビーかも知れへん」
「ウチがウチで人探ししとったから装備品の方が勝っとるアレンには付き合ってもろてたんや」
「あ~~~~ごめんなぁリリアン。心配かけて。大丈夫今もピンピンしてるぜ!」
「ロビーっていつの間に迷子センターになってたの?」
「資源が食料に変わる間暗くなる……という話ですね~。
思ったよりずっと短かったのですが…………」
「あっすご~い全然知らない方々が一杯いらっしゃる天使です、よろしくお願いします」
「えっ俺ら探されてた!?ネクサス君優し……っ!!心配してくれたのぉ!?」
シダレさんに声をかけられればハッと顔を上げて、
何でもないとでも言うように首を横に振って、
その直後『廊下のひとが心配していた』、
と言われれば、やっぱりか~、みたいな顔に。
「アレンたちのこと探してたの!
廊下に行ったきり戻ってこないから……」
「その直前に不穏な話、聞いてたしさ!」
「停電はあった。……シャワールームに居たから気付かなかったのかな」
「探し人が沢山ですね。ここは迷子センターなんでしょうか」
「お、誰かと思ったらリリアンだ。そっちも人探し?」
「どっちもなんだなぁ!?というか装備品の方が勝ってるってどういうことぉ!?」
「お、段ボールちゃんとアレンクン、見つけたわ。
中々戻ってこぉへんから、心配したんやぞ?」
「停電はあったで。一瞬くらなったもん」
「…あ!!!探し人やないけど探し人おるやんけ」
「三つ編み娘三つ編み娘三つ編み娘〜〜」
「廊下でピンクのメイドの姉ちゃんが心配しとったで、顔出したりぃや〜」
「……どうかしたの?アキ」
「手持ち無沙汰というか、何か悩んでいるように見えるけど」
「ここにいるって聞いたんだけどな……」
少女、きょろきょろ、人探し。
なかよしさん なかよしなのね
にこにこ にこにこ
「用があっても誕生日娘はこっちこぉへんやろな…ぼーっとしとるし…」
「ま〜せやな、閉じ込められた箱ん中や。そのうち会えるやろ」
「装備品兼護衛や。今の所装備品が強いで」
「……そう言えば、今日、」
「一瞬暗くなった?とか、聞きましたけど」
「停電でしょうか?私、心当たりがなくて」
ソファの隅で膝を抱えていた。
剣吞な空気も幾分か和らいだように感じる。
……。
廊下を出て、もうしばらくになる。
あんまり顔を出さないのも、心配させるかな。
こんなことがあったばかりだし。
……。
あんまり気乗りしないなあ。
いじ……と三つ編みの先端を弄んでいる。
「人間って装飾品なんだ。」
「生きてたら会えるかもね。閉じ込められてるから。」
ともあれ にぎやかは すき
そんなかお
にこにこ にこにこ
おててを ハートにも しちゃいます。
「入れ違いか~~~、そのうち会えるといいな!」
「装備品扱いなんだよなあ。護衛って言ってなかったっけ????」
「はあ、装備品ですか。いいものをお持ちですね……?」
「入れ違い続けてる。用があるなら、向こうから……」
「来るか分からないな。でも、いつか、会えますよ」
「この天使ミルメコエル……皆々様方に沁み沁みを提供出来れば幸いです!」
「なるほど元々も入れ違い……邂逅があるようお祈りしております……」