もう一人の自分

「……え?」

手にはナイフ。目の前には

もう息もない

治療のしようもない人。

この切り傷、

自分によく似た

殺人鬼の悪夢

まさか…

僕じゃない。

僕はやってない。

そんなことをするはずがない。

第一に、被害者は知らない人だ。

患者として会ったことすらない

全くの他人。

灯台もと暗し。

切り裂き魔は

医者の一番身近なところに

潜んでいたのだ。

「やっと気づいてくれたな、

アレクサンダー」