残された日誌

今日も仕事をしました

静かな肉の塊に向かい、

決められた葬送の手順をなぞるだけ

普段よりは、随分楽な部類だったと思います

今回の客は特別に取り乱すこともなく

「葬儀屋さんありがとう」と泣いていました

泣きすぎていたので、ハンカチを渡しました

言葉が本心でないことくらい分かっています

それでも彼らは今も、

生より死に救いを見ているのでしょうね

こんな世界になってもう随分経つ気がします

それでも葬儀屋は不要にはならないらしくて

早く辞めたいのに

実に、不思議な話です

明日は久しぶりに、何も予定がありません

雨が降るそうですが

ようやく、少しは休めそうです

……この先は何も書かれていない。