拠点
最初に入った建物。
救護室や仮眠室、ロビーもある。
閲覧専用
Eno: 未ログイン
名前: ゲスト
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最初に入った建物。
救護室や仮眠室、ロビーもある。
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「クッ そう言ってもらえると乗りたくなるであるが……
……やはり一旦はワレ 元の世界で体勢を整えるであるよ。
力が使える保証のある場所に、まずは行きたいのもあるであるしな……。」
「でもそう言って貰えたのはありがたいである~
ありがとうであるよ~ユキセッカ殿~……」
「みんなも、お話してくれてありがとね♡」
「おまつりにも来てくれてうれしかった!」
「また、どこかであおーね♡」
それは夢の中かもしれないし、奇跡が起これば現実になるのやも。
さよならとは言わなかった。
「専門知識……まぁそうか」
おおよそ納得した。なんか違う気もするが……。
ちょっとだけ話した人の後ろ姿を見送った。
ここからどんどん人が帰っていくのか。
あるいは強制送還だよりなのか。
どちらにせよ別れの瞬間は近い。
「ま。未知の技術を手に入れたとしてもいきなり自分で試すんじゃなく、適当なやつで実験してから使いなって話だ」
マッドサイエン魔術師だ。
「わたくしの世界はユニネ様が望むような純潔の楽園ではありませんが、
中継地点にしていただく分には歓迎ですわよ」
(とはいえ、既に決めた選択があるらしい)
(あんまりそれを揺るがすのもよくはないか)
「あら、アデマール様」
「お身体の具合はもうよろしいんですの?」
我々は変化を齎すのではなく、均衡を保つ存在である。
本来あるべき場所へ。本来生きるべき場所へ。本来死ぬべき場所へ。
人類と他人類は生態系の一部であり、多すぎても少なすぎてもいけない。
世界に還らず、世界から失われるのは損失である。
かつ、こつ、と規則正しく歩けば――姿を消した。
「オタク……専門知識に明るい人の事……かな」
大凡の説明として。
あんまりあってないような気もするけど、あんまりまちごってもいないだろう、たぶん。
「それで良い世界にいけるというのであれば、確かにご褒美になりそうね」
「もしくは、嫌な世界から出られるのであればそれはそれで」
「ウムム ムムムム ……しかし土壇場で選択を変えるのもあまりこう こう……であるからなあ……」
「今後の!参考にするである…… 情報には感謝であるよ……」
最後の見回りと挨拶を終え、拠点の中。
袋を持ったまま、きゅ、とネクタイを締める。
長いようで短いような、夢の中にいるような。そんな心地だった。
「いい加減に目を覚まさなければ」
少々、寝過ぎたかもしれないな。なんて。
真顔で冗談でも言いながら。
色んな場所をめぐって、ここに戻ってくる。
何人か、会えなかった人がいたことは悲しかったけれど。
先に帰ったのかもしれないし。
「おみやげよ~しっ」
保護袋5つ分のお土産を両手に、満足げな顔。
「オタク喋りだぁ」
其方の知識になると舌に脂がのっちゃうやつ〜。
知識系の人はそういうことあるある。
「……異世界相乗り紀行……?」
話題的にはそんな感じかな?
「怖がらせるつもりはないさ。まともな知識ないと死ぬであろうことを忠告してるだけだ」
良かれと思って……。
「ディメンジョンひき肉になって死んでほしいわけではないからなあ」
ディメンジョンひき肉。
クレジオは消毒薬αを使った。
見ていると目が痛くなってくる……
「まぁ。先人の技術や知識にタダ乗りが一番効率的だな。頑張って見つけな……」
他力本願をお勧めした。トレジャーハンターだか考古学者だかなら、ワンチャンあるのかも……。
「おや、簡単な世界があるならそこに一旦行くのもいいかもな?」
できるひとが限られるという部分さえ何とかすれば。
つまりなんか……できるひとを脅すなどすれば。
「見つけて……みせる、とはわからんことが多すぎて言い難いであるが。
見つけて、みたいであるな……」
「ムム……そうしておくであるか……」
「ウムムムム……ム~…………」
「多分、こういうことは結構あるんだ。帰ってこなかったやつは元の世界に何の情報も齎せないから知られてないだけで。事件性のない失踪、夜逃げ、駆け落ち、高跳び。そう処理されたものの中に、異世界へ飛ばされたものがいて、……ここがたまたま『引き寄せる』性質を持っていたから、複数名がここに落ちる形でたすかった。つまり『引き寄せる』性質の 開かれた世界 が周囲に存在しなかった場合、多分次元の狭間で圧死してる」
魔術師は話が長い。
「これは渡航というよりは事故なんだよな……たまたま運がよかっただけで、運が悪いやつは死んでるから発覚してないだけだ」
ここから何かを得るのは難しいだろう、と暗に。
本当にこのメッセージを削除しますか?