「なんや、運試しか？　ええで、お姉さんがしかと見届けちゃる」
「これで運悪かったら天性やな、諦め」

「本当に全部だぁ～～……」

へにゃへにゃ。

「からすばといいます……」
「お、お姉さんなんですね……えっと」

「せ、せっかくなので……くじ引くところ見ててもらっていいですか」

これで運がなければ挫けてしまいそうだと。

「見てたで、バネの玩具がビョンでヨーヨーがグルグルなっとるところからな。運無いなぁ自分」

全部である。

「お姉さんは綺々羅お姉さんやで。自分は？」

「お祭りだから」
「これでも浮かれてたのですが……」

「朝から不運なものを見せてごめんなさい……」

ずももも……

「ひょっ……………」

こんな時間に一人でやってくるだけあってびびりです。
しかし大声も上げられませんから。

「おは、おはようございまひゅ……」
「哀れ……み、見てたんですかぁ〜〜……？」

「……あかん、哀れみで見てられんわ」

むくっと起き上がる。

「おはようやで〜」

見られているとも知らずに。
しかし、甘味はいつも平等――

「おいひぃ……」

染みるなあ、なんだか涙が出てきた。

もそ……。
そんな様子を見ながら自分もわたあめを食べている。朝ご飯にしては甘い。

クラッカーを使うのは憚られる。
一人でくじを引くのも味気ない。

わたあめ、食べようかな……。

「……えぇ」

地面から、なんか可愛そうな目に遭ってる子居るな……の視線。

「え……？」

たくさんの資材と交換して僕だけ？
僕だけが、祭りでこんな仕打ちを？

ｸﾞﾙｸﾞﾙ……

ﾋﾞｮﾝ……

地面で寝ている人がいる……。
そぉっと避けて祭りのために用意されたというそれを見に行く。

さてさて……

「ほなお姉さんも寝るか。おやすみやで〜」

地面で寝た。

「流石に末代確定であるなあ……ウム……」

「ワレは眠るである　お休みであるよ～……」

「こりゃこのユニコーンの一族も彼女が末代かな……。」

言いながら撫でられ続けて、あくび。
眠になってきた。

「うう、苦いが今は求めていた苦さであるな…………　ありがとうであるよ…………ゴク…………」

「わかってくれである……この……純潔に立ちはだかる……ままならぬ……苦を……　うぐぐ……」

「あー。」
「どんまい。そういうこともあるさ。こうして猫もユニコーンも強くなっていくんだね。」

「ああ…」(察し)
ユニコーンも生物学には抗えなかったか…

「ユニコーンも大変だね……」

どんまい。