じゃれた後、手伝おうと
自分の藁半紙を引っ張り出して……
もちゃ……もちゃ………

「ぐぅ」

二度寝をキメた。

「フェス……めちゃテンアゲじゃん……ﾑﾆｬ」

いかにも猫らしい背伸びをした後、
破れた紙花を手でﾁｮｲﾁｮｲ……と
若干じゃれていた。

「まあ、お祭りを？」
「一致団結、モチベ爆上がり、素晴らしいお考えですわね」

（藁半紙の花は色味としては地味かもしれない。
　それでも飾りがあるとないとでは雰囲気が段違いなので）

「ええ、勿論お手伝いさせて頂きますわ」

「ん、そーだよぉ」
「今度ちょーさがんばろフェスやんの」

だから飾り付けの花〜と、ロビーの隅を指しながら。

「もし手空いてたら手伝ってほし〜カモ」
「いっぱいあるとアガるじゃんね〜♡」

「であろぉ～……」
「うん……うん……ユキセッカどのは……話がわかるのであるなぁ～～～………」

していそうな……気配がある……

「ん～、そうですわね～」
「とっても合理的でございますわ～」

（この調子だと夜までダラダラしているかもな…）

「あらあ」
「お花…でございますか？」

（萎えぽよな彼女に声を掛ける）

「じだらくではない……　じだらくではない……
　これはきゅうけい……　ごうりてきなきゅうけいである………
　むさぼってない　むさぼってない　うーんまだ100分…………」

びりっ　綺麗に作れていた紙花が破れてしまった。

「んえ〜　萎えぽよ〜」

（お昼寝ねこちゃんもいるようです）
（寝ている人が多いのはもう探索も落ち着いて、
することといえば睡眠くらいなのかもしれない）

（何か作るつもりなのか、力仕事をしている人を見送る）

「自堕落ですわね～」
「ダラダラと惰眠を貪るのは気持ちがいいですものね」

「ううん………　では……　…………100分…………」

熟睡と言うよりは、ダラダラ寝続けている。
警戒時ならともかく、今であれば触れてもダラッとしているかもしれない……

この時間も眠っている人が多いなぁと拠点を通り過ぎる。

わっせわっせ。
外に資材を運ぶ作業に勤む姿を見せて、また消えた。

ｸﾞﾙﾙﾙﾙ………ｸｩﾙﾙﾙ……

喉を鳴らしながら食後の昼寝をしていた。

「うふふ、あと5分でも100分でも」

（ぐっすり眠っている姿は微笑ましい）

（髪を撫でようと思って手を伸ばして、やはり引っ込めた）
（触って驚かせてもよくないし）

「おるので……あるねえ……（ふり………）」

ずっと寝ている。それは安心して眠っている証かもしれないし……

「……ウーム、後1分……」

「（1分後）……後3分……」

単なる怠惰オブザ自堕落かもしれない……

「プライベートな空間はありませんものね」

「この人数に各個室は厳しいものがありますが…」

「落ち着けるところがもっとほしいかも」

人って満たされるとわがままになるらしい。

「休憩所はお風呂のためって感じだし……」

「おりますよ～」

（一瞬目を覚ましたのには小さく手を振って）

「睡眠負債が溜まっていたのかもしれませんわね…」

ウーム……　ウン？（視線にピクリとする）………　……　スヤ……（寝てる）

起きてから、隅でせっせと紙花を折っている。
一定のクオリティは保っており、見栄えは悪くない。

昨日ドタバタしていた子、よく寝てるな〜と確認した。近寄ると多分嫌がられるので遠目に。扱いが白猫の子と同じふかふか動物判定なので気にしてはいるらしい。一応…

「……　ハッ（起きる）　……（近くにいる姿を確認する）　……ホッ……　ムニャ……（また眠る）」

「ぐっすりすやすやですわ〜…」

（よく眠れているようでよかった）

ムニャムニャとよく眠りこけている……

「ふぁ……と」

誰が見てるでもなかったとしても、
欠伸の口を本で抑えた。
習慣というかなんというか、である。

「もうすっかり朝ですわね…」

パンを食べながらページをめくる。
法則、空間。
またここ以外にもRoomというものがある事とか、脱出のこととか。