部屋の隅の方で、資源と交換して得た本を読んでいる……。

「冷たくてきもちい～～」

ボリボリと氷を貪ってから影は外へ出ていった。

管理委員会として、監視をしようと仮眠室を出るが。
今日はやけに眠いのか、壁沿いにずりずりと歩いた後。
すとん、とその場に座り込んだ。

私物の本だけは、肌身離さず抱えたままに。

「よし、この氷の缶詰を見せびらかしに行こう！」

聞き覚えのある声がして仮眠室から顔を覗かせたかもしれない。

「影の道化師――のソックリさん」
「帰るまであまり暴れないないよぉにゅ……」

眠すぎて話が数日前に遡っている。

「なんと！どんな技術で凍結を保っているんだ氷の缶詰は！」
「実に面白い、面白いぞー！」

手のひらの上で缶詰をくるくるりんしながら
おにぎりモグモグ

「は～大変大変。今日も外でワンちゃんからガブガブだ～」
「二本足使って歩くの億劫だなぁ～……」

半分ほど目を閉じた状態でフラフラと歩いてきた。

「ﾑﾆｬﾑﾆｬ」

眠いらしい。そのまま仮眠室に吸われていった。
壁に顔は……ぶつけなかった。

「いってらっしゃいなのだわ。お気をつけて。」
お見送り。

「ごちそーさまでしたァ」
「よっしゃ！ 今日も働くぞー」

やっと目も覚めました。
ご飯も食べたので、とことこ探索へ。

笑みが帰ってきたりと平和なのでのんびりとしている。

お返事が来たので、かわいらしい……
おしとやかそうな笑みをニコ、と向けた。

ぶどうをむちむち食べながら。

「おはようございます。」

「んま」

そのまま静かに食事を。

「……………………」

寝起きは頭が働かないです、
みたいな顔で静かに起きてきた。

「ん"……おはよ…………」

遅い朝ごはんをもぐもぐ。
「あら、合成肉以外のお肉もあるのね。」
缶詰ガチャは勝利かなぁ。

「んーっ……。何刻過ぎた？やっぱり部屋があるとないとじゃ違うねー……。
でも毎日使うのは悪いかもなー……。」

仮眠室から出てきて、お店を覗いて帰ってくる。
召し替えもあるんだ。

ロビーの隅。
あちこちを散策して回ったのち此処に腰を落ち着けた。
椅子に座って足を組み、黙々と購入した本の文字列を追いかける。知識を喰らい吸収していく。

それは暫く続いた。