「あいつ、美味そうなのを食べてるでちね…一体どこから手に入れたのかしら」

仮眠室で目が覚めた。
久々に長めに眠っていたらしい…

おにぎりを食べ、からんころんと
下駄を鳴らして歩いていった。

「でーちっちっち……調査の協力をすれば美味しい食べ物と交換できると思ったでちが、パンでちか」
「もっと働けっちか？」

千鳥足で訪れる、最近仮眠室の存在を知ったらしい久遠サン

「んお、皆寝てるね〜……もうこんな時間だし仕方ないか……」

空の缶を片手にふらふらと眠りに向かうだろう。

「どーか皆が、幸せに。明日もまた生きられればいい」

静かすぎるより賑やかな方が幾分か良い。
とはいえあの銃は強すぎるから、なるべく人に向けない方がいいのはそうなんだろうけど……

「みんなさいごまで元気でいてほしーな～」

「謎反応……吾大悪党風。」

しゃーなし銃はしまった。

「欠伸……吾睡眠。汝、余夜更無様過。御休。」

幼女、暴君の如し。あんま夜更かしすんなよ！
みたいなノリであなたをびしっ、と指差すと、こてんと転がって寝た。

「怖すぎますのでどうかご勘弁を………」

平謝りお兄さん

「理解場合良。何文句有。」

銃くるくる……なお弾は抜いてあるのでごあんしんください。
え、見た目でわからない？こわいね。

「すいまへん、いや銃向けてるのもあかん気がします。」

「喧。子供睡眠中。」

銃向けといて子供が寝てんですよって文句を言う幼女。

「ド深夜やんけ！！」

「ふぁ…今何時………？」

あ～子供転がってきた子供。

「何。被射撃的欲持？」

こっちはクソ物騒な事言ってる気がする幼女。

おきあがりこぼしのこどもかもしれない。
仕込み銃をくるくるしながら眺めていた。

寝たり起きたり忙しいなあの子。

てこてこ歩いてきた。暇だから散歩していたが、
大半もうすぐ帰れるだろうからと、気の抜けたような感じ。

「不面白。」

ふす。鼻を鳴らして、適当な所に座り込んだ。
弾丸を抜いた仕込み銃を指先でくるくると回している。

なんかずっとやってるなあ……

もぞ。
隅の毛布から顔を出して、伸びひとつ。
随分寝ていた気がする。

「〜♪」

これですこれこれ。

「……ヴァッ」

シュガーを入れ忘れて苦い。

「…………」

かつ、こつ、こつ。
ローファーは床を叩いた。足音だった。
今日も元気に巡回をしている。

「おいしいです」