『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「まあ」
奇跡なんてなかったね。
今度は怪我のない身体で。座ったまま、モニタから目線を外した。
……もう一人、見知った顔が死んでいる。
「あーくそ、やっぱ、やっぱそうか…してやられたな…?」
「とりま状況言うぜ、なんか資源が見える、ケガ人複数、あと……うん、またしてやられてる」
なにもなかった。
……結局昨日のものは、なんとなくで襲っただけだったのだろうか。
なにもなく、無事であることは喜ばしい。痛いことは好きではない。
だからこれは喜ばしいはずなのに。……どうして、こうも。
「……。」
周囲の騒がしさにぼんやりと黒い瞳を向ける。
ああ、また、誰かが死んでしまったんだなあ。
『こちらは自動放送です。』
ザザ、ザ……
『あ、予報が短くなりましたね!』
『そりゃ予報だからな。推定だし。』
『長くなることもあれば、短くなることもある。』
『まあ、そんなもんですよねぇ』
『また晴れてくれることを願うばかりだな。』
『さ、とっとと管理部屋の確認行くぞ』
ザザ、ザ……
『次の[快晴]は推定約三日後です』
「――あは、」
無くなった資源。
昨日より深く刺さった傷。
背中にじわじわと、広がっていく染み。
「……して、やられましたねぇ。
本当に、すっからかんですね」
流石に2日連続だとスファレさんとスファレさんの心臓にも悪い…。
もちろん私の心臓にもだが…。
「まあ、なるべく控えめで頼むよ…」
「ありがとうございます。来たばかりですみませんが。ちょっとわたくし、他のところも見てきますね」
拒否はしなかったが、そのまま微笑み、笑顔で去っていく。
「……おかえり…」
流石に記録前は静かになりますね。いろんな音を聞くためか、緊張のためか。
…まあでも…多分どっちも、なんだろう…。
「駄目か〜、じゃ、違うドッキリ考えよ〜、皆、俺の行動にビビるといいぜ………」
?
「ソファから転げ落ちるのもそれはそれでまたオモロかー?なんだ迷ってきたぜ〜?」