『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「そうだな〜構えとかなきゃヤバのバ?」
全くこの姿勢から動く気配がなくて、構えてるの真反対だ
「お?コンニキじゃーん?よっすよっす〜」
「…あ、コンテキストさん…。さっき、えーっと夜草さんだっけ…あなたのこと探してましたよ…。」
「…お伝えしましたからね…。」
そういえば、言われてたような気がして。ここに彼女はいないからおそらく別のところにいると思います、と付け加えて。
「つ、月もか…なら…もうすぐであってるんだろうな…」
「い、1時間弱か…自信ないなぁ…」
とりあえず1時間弱か、身構えていることでしょう…。多分6時ぴったりに停電するのでしょうから…(多分
「……何かしらの手段で、記録時間と今の時刻がいつか分かれば」
「このように惑うこともないんですけど……難しいですね」
体感ですが、1時間は切ってると思いますなんて。
「おや、意外とロビーに人が集っておられますね……
今何人いるかモニターで数えてみますか。1、2、5……」
「……」
男は上から数えていくうちに、とある名前の横にあった[生存]を目にした。
「当たり前に時間に縛られ生きていたと思っておりましたが……こういった状況になると大体の時間すらわからなくなるだなんて、なんとも不思議ですよねえ」
かくいう自分も、時間感覚は既に喪失している。
皆が寝静まった頃に元気に起きている程である。
「まってわからなくなってきた」
まあでも複数意見に賛同しておきましょう。
「た、多数決でもうすぐってことで…まあ…身構えて損はないですし…」
苺アイスが一個減ってるのに気付いたらどうするかなあ、あの悪魔。
どうもしないかもな……。
「あと少しじゃないかなあ」「月もこれだけ傾いてる」「見える?」
90度傾いた月を宿して……いつもその角度だった気がする。
「えっそろそろ…?」
そろそろ…そろそろかぁ…怖いなぁ…彼はまあ多分悪魔だし…多分合ってるんだろ…多分…
赤猫さんもそう言ってるし…もうすぐなんだろうな…
「そうか…ありがとう、警戒しとく…。」
「停電ももうすぐだと思いますが
どうにも、陽の光を浴びれていないもので」
猫にも体内時計はあります。
けれど、それも陽の光あってこそのものですから。
まあ、正直警戒はしておくに越したことはないだろう。いらないヘイトなんかも買ってしまっただろうし。…停電、嫌だなあ…
「なあ、後どんぐらいで停電だと思う…アタシ…まだあると思ってたんだが…人の体内時計は閉鎖空間だと3日が正常限界なんだ……自信無くなってきた…」
「ン~…… そろそろ停電の時間が近付いてるな。」
「皆~ 停電の後は食堂で資源の配給があるぜ~。
その争奪戦に参加するヤツは、食堂いっちゃお~。」
テキトーに一本指を立てながら、ソファから起き上がる。
「ハァ、今日はなんかどっと来たな…」
疲れです。とりあえずその辺のソファに身を投げ出して横になって。
あれ…そういえば後どんぐらいで停電だろう…?
体内時計が狂い始めている。まだ、自分の感覚的にはまだまだあるようにも思えるが…どうだったか…。
>>9685
「夢」
「あ〜夢……あ〜、うん、多分悪い」
言う内容は暫く渋って。
「ラーメンが嫌になるかと思った……」
どうやら、寝言の効果は抜群のようで
「アイス食いて〜〜」
嗜好品を頼んだら出てくるかな。カスの連想ゲームによるぼんやり欲求を隠さずにこぼし、死にゆく人を面白がったデカブツはソファに懐いている。
医者としては、死に行く人へ手の施しようがないことが1番辛い。
だって、なんとかするのが医者の勤めなのだから。
…けど、彼女はそれでも元気そうだったし。
「…何が正解かわからなくなってきたな…。」
ともかく、形を保ったまま出られるか或いは…最後まで悔いがないように生きられたらいいな、としか。
「フゥ…もう少し前から協力できていれば…もう少しやりようでもあったかもしれないな…」
ボソリとつぶやいて。前から話をもう少し詳しく聞いておくべきだったかも、と。
何も失うものがない人間は、恐ろしいと聞いたことがありますが
……間違いではないのですね。
猫は静かに、去っていく背を見送ったのでしょう。
「…まあ、私はここから動く予定もないし。何かあったら来てくれれば…何かは出来るかもしれないから。」
自信はあまりなさげ。霊力とかもあるわけではなく、そもそもここではあっても無に等しいだろう。
「気をつけてね。それでも付け狙う輩は多分…いるから…。」
停電の時間も近づいてきているし、ね。