『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「先ずはどうしよ。
やっぱり、あの白衣の人探しに行こっかな〜」
「私の資源盗んだ訳だし。」
大分吹っ切れた様子。
引き止められないなら、部屋の外に向かおうとするか。
>>9669
「おはようございます。
いい夢は見れましたか?」
「随分とうなされていたようでしたので
少々声をかけさせていただいておりました」
原因を作ったのは己ではあるが。
「……今のところ、痛みは無いです。」
それだけ答えてあげた。
まだ目に見えて溶け出している訳では無いから。
「……ありがとう、綾川先生。」
とは言え今は、と言った様子。
「お〜…?」
なんか真剣な話をしていたんだろうなと、落ちた音が邪魔になっていないか考える。
「…やれるだけやっちまいなよ〜、悔いのないように」
小声で、これは聞こえなくてもいい
「キミがいいならいいんだけれど…。」
とりあえず聞くことは聞いたかな、と言った感じで。
「色々抱えてたみたいだし、なんか、アタシでよかったらさ、して欲しいことあるなら…言ってくれたら、出来ることならするからさ…。」
人に手を貸すのも医者の仕事のうちだ。それが患者であろうとなかろうと。
「あ〜〜〜ハイハイ近寄りも刺しも舐めもしませんってェ、痛いかどうかだけ教えてくれませんか後生なんでね…」
なんで執拗に苦痛の有無を聞きたがるんだか。答える必要性は全くありはしない。ぶすくれた様子で己の尾をぐりぐり手に巻きつけているが、無視でいいだろうね。好奇心でしか動いていないのだし。
「ただの小屋であろうが、信じる人たちがいるならそれは十分聖域にもなりうるわけで。神ってのは信仰から生まれるんだわ。そこに力を持つか持たないかが分かれるだけで。」
「でも…ここには信仰もない…あるなら、個室ぐらいしか…。」
個室のドアの下にある隙間をこの白衣を捩じ込んで締め切れば。多少は密室のようにも出来るが…これが得策かどうはあまりわからなかった。
>>9655
「魔王を……?」「……けど、俺は…」
「こんなのが選ばれるわけ」
と、言ったところで、盛大にソファから落ちた
「…あ?あれ?」
「……おはよ〜さん?」
よく分かってない顔だ
「え~オレは真面目に讃えてるだけなんだけどなあ……」
そうでもない。
「悪魔のイメージが下がっていっちゃう~その角クンはまだ角尻尾蹄爪人間クンの可能性もあるよ~」
「……」
見回す。ここに来た時に自らを覆っていた繭玉は、なくなってしまっただろうか。こんな場所では貴重な資源。それに容易く崩れてしまうから、床のゴミにでもなったことだろう。いずれにせよ必要のないものだった。
「…流石悪魔。」
近寄る悪魔から、身を引いた。
少し睨むように見ている。
「……まぁ、聖域と言っても…あはは、今なら言えますけど、ただ『墨を受け止める為の小屋』です。」
「と言っても……私にとっては、それが全てだったんですが。」
「ちょっと今大事な話の最中なんだから勝手にドラマ始めんな、後でにしろ」
珍しくクソ真面目トーン。すんげえ真っ直ぐ言葉が飛んでった。
「自分より巨大な体躯に、患者を庇う為に立ち向かうあの姿……医者の鑑と言っていい!
お、おれ達はあの人を誤解していたんだッ。あの人になら身体を差し出したっていいじゃないかッ。」
「ふうん……」
墨に変わる身体。
……虹を作るいのち。
似ているな、と思ったから。
それにはそれ以上、何も言わなかった。
>>9640
「ふふ……、これは夢です…、選ばれし勇者よ…、今こそ天啓を授けましょう…、魔王を倒すのです…」
遊んでいる。そろそろ怒られてもいい。
患者を庇う医者に阻まれればムス…とはするが強行突破はしないらしい。変わらず熱烈な視線を注いでいる風ではあるが、腕組み仁王立ちの姿勢で止まるだろうか。
「そもそも、村の外でやることが想定されていなかったら多分、良くないことになるかもしれん…。何かできた方がいいのなら出来る分は協力したいが…」
いかんせん道具が少ないもので。自分から出せるのはこの白衣のみで。
「ォォォ……」
おそらくさっきから話していたし、この医者は織さんの近くにいただろう、近づいてくる彼に対してちょっと彼女を庇う様子は見せるかも。
「……聖域、七日間。止める技術も無い。ともなると、」
「擬似的にでも儀式を成立させる……とかは、難しそうですね」
そもそも何も知らない俺たちがやっても冒涜かもですし、と。
推定悪魔さんの態度には若干眉を顰めていたが、それだけ。
「ウオすっげ〜〜〜〜!! 体液に混ざるってことは内側から?か? 肉はどうなってんだろうなあ! 痛みは? 痛いのか?」
まさか己のカスの要求に応えてくれたわけではないだろうが、結果として症例を見せてもらえたことにかなり興奮!になっている。
ヤンキー座りをやめ立ち上がってもっと近づこうとしているし、尾がぐねぐね揺れているのからして、本当に娯楽として見ているのだろう。言うまでもなく最低だ。
「となればどうするか…。遅かれ何か出来ることでもあれば、と思うんだけれど…すまないね、気がつくのも遅かった私じゃ、どうにも…。」
無理な速度で頭を回転させていたが…それでも思いつく物はなかった。
せめてもう少し道具でも置いてあれば、何かはできたやもしれない。けれど今は…
>>9637
「………」「重い………」「食べられないって言ってる…の…に…」「流石に………限界…」
呪文を聞くと、急に苦しみ…いや、魘され始めた
「ああ~……ここの封印の範囲外ってワケ……」
「それなら現代医療の内科的な方面の方が可能性あんのかねー……」
推定悪魔の態度を傍目に鳴りを潜めている。
>>9630
「アブラ……マシマシ……ヤサイ……オオメ……チャーシュー……たっぷり……」
寝言が聞こえてきたので
興味本位で耳元で囁く何かの呪文のようなものを。
「村のために恵みを……」
ところは違えど似たような信仰はあるものね。
纏った白絹を見つめた。この数日で随分と傷んでしまったけど。
「………あぁ、そういうことか…。………どっちにしろ急いでいた理由はわかった…。」
「…ここじゃ、液を受け止められる器もない…。」
本当にどうしたものか、という反応。
「タイミングは仕方ない。私が聞いてしまったのだし…。」