『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「そっちじゃない悪魔もいるんだ~?イエーイ悪魔悪魔してまーす。人間クンのことは好きだけど~」
これも愛故に……♡と言うような笑顔を浮かべている……
「健康管理が出来る人間クン、偉~い~」
「まって違う違う違う違う」
「人の傷口舐めるなんてやったことないから!!てか医者としてはあるまじき行為だから!!普通にやったら免許剥奪だから!!やめてくれ!!」
そんな顔するなぁ!!
嫌がられないのならば、もうしばらくは抱えながら座っているのでしょう。
「好きな物ねぇ……僕はやはり猫だね」
「アレルギーで一生触れられないものだと思っていたが……そうでもなかったね」
「傷を舐めるのはアレルギー同様健康被害が多そうだ。その苦悩だけは理解できなくもない……と思うよ、多分」
けれどもまあ、先程暗いお話をしてしまったので、その罪滅ぼし………と言うかなんと言うか。運命は甘んじて受け入れるようです………。
「寒くて風邪ひく前に毛布買ったよね笑」
「健康管理ばっちしだから笑」
異常性癖に関しては笑だけ。
色んな人がいるから……ね……笑
「人が生き返るのって、人が死ぬのと同じくらい怖いからねえ」
「床よりマシかも。首を寝違えないようにね」
十分な広さのソファがあるといいね。
「そっちの悪魔もちゃんと悪魔してるんだ……」
はじめましての方の悪魔であるなあ。引っ掻き回すのが好きそう。
「そ、ソファならいくらでもあるから………誰のものでもないし自由に使ってくれ………」
声が裏返っているけど、一応ちゃんと案内はする。
「好きな物の話ですk、にゃっ?!」
まさか抱き抱えられるとは思っていなかったもので。
少し驚いたような声が。
とはいえ、嫌そうにはしていません。
むしろ、少しありがたそうな、嬉しそうな。
「別に傷跡をペロペロしてもいいじゃないか!人を傷付けたり殺してるわけじゃない、
彼女は人を助ける側なんだ!!異常癖だからって、そんなふうに弄るのはもうやめようっっっ!!!」
「やーい傷跡ペロペロ人間~。あの人は……傷跡をペロペロすることを生きがいとしていて、だから医者になったのです!」
もう一人の虹色の声色を真似て。
>>9485
「………」
「くれるなら、貰っておくよ」
そのまま、あなたから渡されたそれを受け取ってしまおうか。
あとで少し眺めてみようかね…なんて考えて。
汗ばんでわずかに震える手に頭を寄せられたなら。
数回優しく撫でつけた後、ぎゅうと背中から抱きかかえる。
力は弱く、だけど覆いかぶさるように。
たぶん、抜け出そうと思えばいつでもするりと抜け出せる程度の。
ささやかな抱擁。
「ん、いらっしゃい。」
軽いあいさつだけして。
「………アタシが死んでも擦られそうだねこれ………」
しまったな………って反応。
「よす笑」
蘇生薬のことに関しては触れないまま、ただ挨拶。
>>9481
「……じゃああの話は今はナシってことで。言いふらすものでもないから」
綾川の方にちょいちょいと寄っていって、使い終わった注射器を差し出す。
オートインジェクター。分解はできても、再利用はできそうにない。
「興味ある?」「あるならあげる」
「別の話、ですか」「……」「傷口の話、はもういいか……」
「好きな物の話、とかどうですかね……」
来た人にはぺこ、と頭を下げて。
「……何にしても、表示上だけでも、生き返ったりするんですね。」
人が死んで、蘇生する。
一体どうすればそんな事が出来るのか。
「…………私も。」
これがあれば、抗えるのかな?
「こんちわー笑」
「……お?」
モニターを見る。赤文字が減っている。
「へー!笑 あれ使ったんだ!」
「めっちゃ高級品なのにやるねー笑」
猫は密かに不安を抱いていましたから
それを隠すように
撫でられている手へと少し、頭を押し付けたりするのでしょう。
撫でられるのは落ち着きますから。
「ま、こうやって話してたら出てきてたりしてな。」
なんて。まあでも目が覚める時間はまちまちだろうし、放っておくならゆっくり待とうじゃないか。
「そうだなあ………でどうする?連れてきてもここに置くわけだから、私の一存じゃ決められないが。それに、どっちにしても彼女は出てくるから、バレるのは時間の問題だろうね。」
黙って連れてくることはないらしい。