『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「………5番を切ったのは、とんでもなく利己的で、人の個を尊重しない奴なんだろうねえ?」
その言い方ならば、【お前にそれだけの価値があるから襲った】のであれば受け入れてしまえるのかな。可哀想に。かわいいねえ。これらは口には出さないけれど。
「おれは構わないけれど、5番はまだこうしていたいかい?」
こう、とは貴方を膝上に載せて愛でている一連を指すわけで。飽きたからといって押し退けて去っていかないぐらいの気遣いはあるらしい。嫌じゃないなら貴方が嫌になるまで続けるつもりではある。ご自由に。
「……ふふ、そう、ですね。」
構われるままに、ぼんやりと。
付けられた傷跡を包帯越しに撫でながら。
考え直す、その言葉にまたそうですね、と呟いた。
「実のところ死よりも恐ろしいものがございますから……傷つけられることに戸惑いはすれど、それ故に反撃しようとは……」
言葉を切って、手も止める。
「ただ、誰でもよかった、と傷つけられたのだとしたら……受け入れ難いことでございます、ね。」
拒絶とは捉えないので、無骨な手は丁寧に貴方の髪を整えて毛髪越しに頭の形を確かめたがるのかも。これらは明確な嫌がりや怯みがあれば一度止まるものだから、耐えられないのであればそうするといい。
「棘のある果物と無い果物なら、剥きやすいのは後の方だから、」
「考え直したらいつでもいいんだから、ねえ?」
何の話をしているんだか。膝上から逃げ出していなければ、間延びした語尾でのんびりと貴方を構っていただろう。
「だって……わたくしのようなものを狙う方がいらっしゃるとは、思いませんでしたから。気味でも悪かったのでしょうかね、他人に好かれるのは難しいことです……。」
膝の上、座ったことがないのか
少しいつもより落ち着きを欠いている。
後頭部に手を置かれれば、尚のこと、
頭が少しそわりと動く。
「……死にたくはないですが、どうでしょう。人は興味のない対象に、とてもとても冷たく接することができますから。」
死んじゃうのかも、とどこか他人事のように呟いた。
膝自体は感触的には人間のそれとあまり変わらず…貴方が誰かの膝に乗ったことがあるかは不明として…血肉を備えたいきものの温さだろうな。
「あーあ… 気を張ってなかったのか、かわいい奴!」
セクハラじみた挙動と言動と共に、非人はくすくす笑う。膝から逃げていく様子がないならば、調子に乗って貴方の頭頂部にぽふと手を置きたがるだろう。撫でようとしているらしいね。
「5番も死んでしまう?」
「……おやおや、これは……ええと、どうしましょう」
ぽん、と叩かれたそちらの膝。
まさか座れというものかしら、と僅かばかり逡巡する。
とはいえ、これは招かれれば応じるもの。
少し申し訳なさそうに、浅く膝に腰掛けてみるか。
「……まあ、鋭いお方ですこと。ええ、その通りでございます。」
着物の袖、軽く捲れば自力で巻いた拙い包帯の跡がある。
「残念ながらお顔を見ることは……叶いませんでした。」
「じゃまだ喋れるかあ」
貴方がそれほど接触を嫌がらなさそう、というのは前日の交流で察しているところ。おいで、と手招いて……ぽんと叩くのは己の膝…である… 当然嫌なら従う義務は無いし、折衷案としてソファの空きスペースに収まることもできなくはない。
「で、」
「“痛い目”に遭った匂いがすんだよなあ…? 誰にやられたかは分かった?」
あなたの現在位置がどうあれ、ぴす、と鼻を鳴らしていつだかの話の続きをしたがるかも。
「きっと遅い時間でしょうから、どうぞお休みになってくださいませ。明日以降もまた、お会いできることを願っておりますね。」
眠ろうと動くものたちにはそう声をかける。
「まあ、お勉強なされば動物とも会話できるのでしょうか?なんとも羨ましいことでございます。」
「わたくしは……そう、ですね。眠くなりましたら。」
ちゃんと寝ますよ、と笑った。
とは言えまだ眠そうでもない。
きっと夜行性の部類なのかも。
虹色犬の指摘は>>9003 部分的にそう!であるので反論を避け、早く寝な〜と手で払って。
「真面目に勉強してないからネイティブと会話できるレベルじゃねんだよな犬語とか猫語」>>9004
簡単な威嚇とかは発声できるけど、と肩を竦めてソファに落ち着いた。
「5番は寝ないの? 夜行性か?」
あーしも寝るかぁ。
その辺空き部屋あるじゃろて。パス未だに思いつかんのやけどなんかええのある?
そんじゃ、朝日と共にアタシちゃんを待ってろよマブダチ。
「そう、なのでございますね」
ちょっとだけ意味深長にも聞こえる言葉。
単純に接するものとして好ましい、という意味だと思いたい。
「人もまた、良いものでございましょう。ここでは自然と言葉が通じる方々が多いですが……基本的には、犬や猫とはおしゃべりが叶いませんもの、ね。」
「猫ちゃん寝るの?僕も寝ようかな」
くるくると寝床見繕って丸くなりました。
「人間が好きって食べ応えとか味のことでしょ……」
「俺は人間の方がず〜っと好きだな…」
今今の文脈に続く発言であるため、信憑性が薄らぎまくっているね。事実ではあるらしいが…
「おや……おやすみなさいませ、赤猫様」
睡眠を邪魔しないように静かな声で。
「ふふ、まあ、大いに違いはあるのですが……同じく愛らしいという意味ではそう変わらないものでございますね。」
>>8974 には無言でペん!と尾と床を鳴らして抗議し、犬猫論争には、
「犬も猫も人間より毛が多いやつだろ…?」
そう変わらんのでは?とほざいています。無視でいい。
「…………な〜ぅ」
猫は気まぐれですから
夜行性といえど、寝る時は寝ます。
体を丸くして次第にスースーと寝息を立て始めるでしょうか。
えマ?最高。
アタシも雨の声でウルトラデバフなんだわ。つまりサイキョーのアルカンちゃんが虹で、サイキョーのアタシがサイキョーの映えな。勝ったな
これ無限にバズるわ。今からでもバズの準備しとけー?
「それ、僕の前で言ってよかったの?雨があがったら生きてる内に見せてあげる」
できない約束はするものじゃない、と思いながら。
「ふふ、仲がよろしくて何よりでございますね。」
猫派犬派の戦いが起こるかと思えば……
当人(獣)たちは褒めあっている様子。
なんとも微笑ましいものである。
ちくしょーどーってあれでしょ、地獄でしょ。
アタシ良い子だからここは仲良く天国行かんか。死ぬんなら虹の橋渡ってみてぇ。
そこで映え写真撮るんだい。
>>8983
「蓄音機にこうしてる犬の看板が故郷にあったなあ……」
犬が首を傾げるのは単純に聞き取れてないから、という説もあるそう。
今の状況といっしょ。静かならいいや。
誰がかわいいか、そんな話題にはとんと興味がないんだろうな。
合羽はひとしきり眺めたり喧嘩したりしたあと、黙って別の場所に向かうのだろう。
とことんコミュニケーションの取り甲斐がない合羽だ。
>>8971 の主張を頭を30°ほど傾げながら聞いている。腑に落ちてはいないらしい。少なくとも騒ぎ散らかすことはなくなったのでお休みの皆々様のお邪魔には比較的ならなくなってきたかも。
うんにゃ、犬猫は存在してるだけで可愛いからな。
んで、さっきまでのあたしちゃんは存在してるだけの可愛いだったからな。
つまり若干犬猫だったという訳だ。
「ふふ、ええ、犬も勿論可愛らしい存在でございます。どちらがより優れているか、などわたくしでは判断すら難しいほどです。」
「赤猫様も、アルカンシエル様も、そして他の皆様も……競う必要などないほど各々が愛らしい存在でございますよ。」