『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
動けるんならまだやれるぜ。
動けなくなっても、わんちゃん元気なやつが一緒に運んでくれるかもしれんな。
実はさ、わりと応援してるぜ。繭の子ち。
「もしかしたら、私もそうなのかもしれないわね」
肝に銘じて、頷く。
「ぬくぬくと状況を享受していたから、大切なものを奪われてしまった。
全てを放棄しないで、できることを探すべきだった」
けど、まだ遅くはないって……思いたい。
「…………」
また、誰か溶け行った、らしい。
一応、モニターを見る。…あまり話したことのない顔だった。興味はすぐに失せた。
「すまない、私が運び出せたら、連れて行けたかもしれん…」
遺体を。今自分がこんな状態なばっかりに、と。
「ハハ……キミは猫にしては……デレが多い気もするがね」
微睡みの中で撫でられれば、目蓋はゆっくり下がっていく。
もしキミが家に住んでたなら、きっと溺愛してたんだろうなぁ……。なんて。
「……おやすみ、みーちゃん」
今度は、理性と憧憬と優しさで潤む瞳が。今。
静かに包まれ閉ざされた。
アタシらマブの事かい?
良いでしょー!
(あくまで可愛いものを褒めただけのような、そんな軽さ)
あ、でも自分の耐久はよく見ような。こんな感じに置いてかれるからな。
アタシを反面教師にしたまえ、繭の子ちゃんぬ。
『資源倉庫への追加資源を配置しました』
『資源倉庫への追加資源を配置しました』
生きてる間は断固として動く気はないが、死んだら良いよ。
でも、ヒシミーデカいし、レジたんもアタシよりはデカいんだよな。
なので、ちょっと職人技以外キツいと今から思う。
アタシが死んでからメイドさんが来たら、職人技にお世話になりますと言伝てくれるとうれしいぜ。
(モニターの下あたりの惨状です)
(モニターの画面は阻害しないけど、見たら視線に入る、そんな塩梅を目指しております)
(時折死体を弄っているのか耳に良くない音もするかもしれません)
ララさんがいるから、死体を、遺体を片付けられずにいるが。
いやまあ、自分も怪我してるから、どっちみち片付けられはしないんだけど。
…そういえば、メイドさんとか、葬儀屋さんは、こっち来なかったなあ、今日。
明日、タイミングがあれば片付けようかな。あの2人は、運ぶのが大変そうだが。
まぁ、死体とずっと居るのはさすがに猫もどうかと思いますが
あの人たちはあの人たちで完結してるようなので……
下手に口出すこともしませんでした。
「猫のデレは貴重なのでしょう?
なら今のうちに堪能しとくといいですよ」
貴方とあなたに散々撫でられて
猫も少しは上手に撫でられているでしょうか。
「お疲れ様です」
小さく、そう零したりして。
…………目を覚ましてから、モニターの下側は極力見ないように努めている。
床に寝そべったのも視界から外すためなのが半分くらい占めているとか何とか。
「ハハ、猫を可愛がる想像は散々っぱらしていたが…………」
「撫でられる側は想像だにしていなかったな」
床の上で少しぼーっとしながら、猫の撫でを堪能していた事でしょう。
しばらくすれば、すこしずつ目蓋が下がっていくでしょう。
ぴえん。
じゃあ忘れられない悪夢になって、生きてる間の夢の中に出ちゃおうかなぁ?
(こんな感じ~と両隣の二人を歪に動かして遊んでいる)
「明日、もう少し人が増えればもう少し何かわかるかもしれん。…今の時点で何か尾でも掴めていたら、よかったんだがな…」
下へ落ちるのは、やはりそう簡単ではないらしい。ふむむ、と唸っては居たが…動けないものはしょうがないので。
>>17707
「は、は」「えぇ、応援ありがとうございます」
「最期まで」「最後まで」「したいこと、し続けますよ」
ニコ、と微笑んで。辺りを見回し始めるだろうな。
そう~。仲良死~。
ただちょっとアタシが金剛過ぎてな。また置いてかれた。ウケる。
しばらくは居座ってやるから、目に刻み込んでね。
「兎にも角にも、情報が無いですね……
ひたすら試行錯誤して、回数を増やすしかないのでしょうか」
それこそ歩き回って、運次第で。