『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「遺品のタバコって重くない? タールより重いよ」
「そんな時がない事を願いたいけど、そうなったら考えとくわ」
「明日一人でも無事でありますように」
気が動転してるシスターの代わりに祈っておいた。神仏に何の思いもない、ただのヤニカスの。
「ここでできるのって、水葬か食葬だよね」「食葬の方がいいよねえ。プールの子たちがはいどうぞって縄張り荒らすの許してくれないだろうし」
「お〜…すげ〜睡眠の入り方だ…」
「……ま〜実態はどうあれ、明日は明日になるまで分かんないしな〜
細かい事は俺は考えないで居よ〜」
「せめて死ぬ間際にはめいいっぱいタバコ吸おうと思ってる僕にそんな事出来ないよ〜っ」
「せめて人間らしいまでなりたい。小物から人間に」
「まあ…そこはその人次第だろ。アタシはまあ…ガチで襲われたが…ナイフ持ってなかったって根拠もないしな…。」
のびのび。幾つもあるうちの一つのソファでゆっくりと寝転がって。
「………この先、死人が出たらどうします…?ここに埋葬できる場所は?………あぁ……私、明日はもう…………」
ぺたぺた(地べたに這いつくばって手探り)
ぽすん(ソファまでたどり着けば、顔を埋めて寝た)
就寝のため、離脱。
>>5889
「語られないというか」「ないものは語れない、けど」
「そうだね。きみたちのことを知っていけば答えがわかるかも」
「……」
本当はわかってる、僕がただの模造品だってこと。
絵の具の匂いも、曖昧な過去も、見えない未来も、どれもこれも他人の写し。
目の前の相手がそれを知らないことを願いながら。
「あー、それ割と考えた。
怪我人は、本当に襲撃されただけの怪我人かってね」
「襲撃して、別の人に襲撃されたかもしれない」
「ま、そこは割り切るしかないよね。治療しようと思った人に、医療品を分け与えてるだけなんだって」
「なんかさ〜、こういう時、悪い考えってさ、無限に出てくるよな。…人型生物の得意分野なのかも。アタシもそうだし…」
決して嫌味とかではなく、ただただ、感心しているだけ。言い方が本当に悪いが…、当人は考えがやまないことに非常に感心しているとも言える。
自分の脳だってマイナスな考えを吐き出して止まらないのだから。
「まあ、全く悪いわけじゃないとも思うね。だって、悪い方向へ考える分だけ、予防はできること、あるだろうしさ。」
「さあ!悪口ダービー! 揃ってまいりました!!」
「あと、僕は全然悪い人じゃないって! ホントホント!小物感なのも酷いけど!!」
「トーノっちが本当にヤバい時は、タバコ何かももう必要ないって悪い顔しながら握りつぶしたりして〜」
「スファち〜?危機管理は良いけどよ〜、過激な思考はレアケースだぜ?
考え過ぎるとむしろ腹減っちまうから気をつけなよ〜?」
「う~ん」「殺人鬼がいるくらいなら最悪じゃないかも」
「例えば……自分の手や足を軽く切って、誰かに襲われた!って言ってるだけだとしたら?」
「それか」
「返り血を自分のものだって言い張ってたら」
「みんなが寄付したあの事件に犯人も被害者もほんとは居なかったら――その方が最悪だったりして」
「むしろ人数を減らしてその分の消費する資源量を抑えるためですとかサイコパスですとか愉快犯イジメ魔女狩り迫害差別………ぶつぶつぶつぶつぶつぶつ…」
祈るポーズでうわごとのように呟いている。
>>5813
「なるほど、私めもこの思考問題を通じてアルカンシエル様のことが分かってきたような気がします。
本当に生まれたばかりの命かつ、前後の文脈がまだ語られていないのでしょう。
人間ならば、誰が産んで何を継いだのかの前日が、命を終えた後にどうなっていたいかの後日を、まだ知らない。
であれば、知ることが大事です!誰かの人生をサンプルにすればいい!
結局のところ、語られる文脈の類型にも限りがございますからね!参考にすればよいのです」
「本当、絶対得しないけどな〜〜アタシ襲ってもさ…」
一度目の襲撃でもうほぼすっからかんなのだ。
「…変な知識が欲しいなら有り合わせがあるよ。例えばみなさんご存知かもだが、蚊は血が好きじゃないことだったり…、ホワイトチョコレートは厳密にはカカオでなくカカオの油だったり…。」
「まーまー。現に誰が襲ったのかなんて分かんないわけだし、そう疑うのは僕悪くないと思うよ。
実際、襲った人は確実に居る。怪我人がその証明なワケ」