『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
うわ黒デカ猫マジかぁ。
頭痛だったら悪いことしたかもしれん。また会えたら謝らんとな。
……いやその前に黒ネコチヤン無事かは知らんけど……。めーちゃ愛想悪かったもんな。
「……ち、ちなみに、」
「他にヘイトを買うような方はいらっしゃいましたか…?」
「て言っても、私は目が見えないのでどうしようも出来ないですけど………」
「知らん…。そもそも極限状態の人間の思考を正常だなんて思わない方がいい…。」
「好きで奪いにくる奴らだっているかもしれないんだからよ…。」
誰にされたかもわからない今、自分は静かに待つのみ。
「頭痛かは分かんねーけど、プールで見た時はずーっとカタカタと震えていた…かな〜
資源奪ったからか、怪我したからかは俺は知らね〜?とにかくずっと隅っこで警戒してた…と思う〜?」
「追加資源な〜、追加資源の前に、やるなら食堂を堂にしたやつシバく方がお得じゃね?知らんけど」
「赤猫ちゃんなら、さっきちょっとご飯行ったぞ。」
猫さんのことをこう呼んでいるらしい。おそらく、戻ってくる時に戻ってくるでしょう。
「資源というのは確かこの金貨袋でございますね!なるほど、確かに私めも起きたときに些か金貨が減っておりました。確かに、7日生きるのに資源が足りなくなるから他から奪えばいいという思考になるのは理解いたします。でも」
「どうして減る量も知らないのに7日では足りない資源量だと分かったのでしょう?」
「ダメダメ〜…それはあんたのもんでしょ…アナウンスが"本物"なら、後7日もあるんだからとっときな…。」
ともかく、アタシはいいから…というふうに、断っています…
「……いねえの? 担当者」
「怠慢とかのレベルじゃねえじゃん」
雨の音がしている。本当に雨かわからない
「まあなんか……おめーら落ち着けよ」
「そのでか黒猫のせいで、別であった追加資源が根こそぎなくなったんだ。多分、相当ヘイト買ってるから近づかない方がいいぞ。」
さっきから殺意マックスの人々を見てきたばかりなので…。
「資源を取れるだけ奪われた。停電中にな。…襲ってくる奴らの目的は資源だから気をつけなよ。」
ほらみろ〜、なんて、痩せた資源の袋を見せて。
相変わらずソファに座ってのんびり伸びております。
「あー猫ちゃん?デッカ黒猫的な子なら…めーっちゃ怪我してたぜ〜?」
「そー雑誌撮影〜、水も滴るイイ男…ってね?ま、嘘だけど〜
実際はちょっと体洗っただけ的な〜?」
「怪我人でございますか……?停電中暗いままに歩いて頭をぶつけた……とかではなさそうな空気なのをお察しいたします
となればやはり暴力沙汰……ですね?」
「機械の方で何かあったからか、さっき担当者呼ばれてたんだけどさ。」
「どう考えてもさ、いないよね。たぶんそう言う感じ。」
「そんでまあ………奪い合いも始まるし、なんか………大変そうだよ。」
まるで、自分には関係ないかのような口振りだが………めちゃくちゃ関係ある。あるからね?
「……これで、綺麗事を言う暇は無くなったか?」
「綺麗事だけじゃ生き残れない」
「誰かを殺して、奪わないと生きて帰れない」
「……貴重な資源を使って、誰かを治してやれるのも、今だけだ。」
「人の欲はいつだって"そう"だから~」「実際、全員が6日間大人しく過ごしていれば最初の量でギリギリ足りた」
「……そう。ギリギリ」「だから、もし誰かの怪我を治したりご飯を多めに食べたりしたら?」
「もし、身を守るためにナイフを買ったりしたら?」
「足りなくなっちゃうんだよ」
「それに気付いたのかな、それともただあいつが気に食わなかったから?」
「動機も、凶器もあった」「だからそうなった」
「よっすよっす〜、やってる〜?」
物理的にシケたデカイ男がやってきたぞ、シャワーでもしてきたのかもしれない
「分かっちゃいたけど皆沈んでんな〜………
焦る気持ちは分かるが、なるよーにしかなんね〜から、オモロで生きていこーぜ?」