『ロビー』

色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。

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『記録[雨の部屋]168:00:00を再生しています……』

通信機
2025-12-28 00:13:01 LogID: 19533

『資源倉庫への追加資源を配置しました』

綾川 遥希
2025-12-27 23:52:55 LogID: 19504

「……私も。大好き。」

小さく言えば。綾川も、静かに、眠りに落ちて行くんだろう。
場所なんか、どうでもいい。痛くなってもいい。
明日は、どんな天気であったって、色んなこと、するんだから。

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猫 でした
2025-12-27 23:47:58 LogID: 19499

やれやれ
人が少なくなってきたのがここに来て幸をなすとは

何が起こるか分からないものですね。

「…………そうしましょう」
「……2人共、大好きですよ」

少し照れくさそうに、それだけ。
ここに来る前じゃ、言いたくても言えなかったから。

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綾川 遥希
2025-12-27 23:44:14 LogID: 19491

…今はまあ、いいか。

もう少し、ここで泣いちゃおう。

「………全部、明日に、しよ。…ね。」

そう言って。笑って。
繋いだ手は、離さないように。

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綿積雫
2025-12-27 23:40:01 LogID: 19484

今までずっと耳障りだった、この雨の音が。
何故だか今では、今だけは。
酷く愛おしく聞こえるのです。

おかあさんとてをつないで。
かたっぽのてはみーちゃんをぎゅ〜っとして。
かえりのおうたをうたうんだ。

あしたてんきになぁれどうか雨が止みませんように──。

……おやすみなさい。

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綾川 遥希
2025-12-27 23:39:30 LogID: 19482

「ん"」
「…………」

その声で、ふと現実に戻って。
そういえば…まだ人、いるん、だった。
……大層な…何とと言うか、何と言うか…を披露してしまった気がして。

「……ど、どう、しよ…」

今更、じんわり恥ずかしくなってきました。

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猫 でした
2025-12-27 23:34:00 LogID: 19472

「…………ッスー」
「ロビーでこれ以上も、なんか……
恥ずかしくないですか……」

「…………個室行きません……?」

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鷹宮 龍一
2025-12-27 23:31:59 LogID: 19468

ごぽ、とこぼれた赤を乱暴に拭いてソファーに横になった、寝るのだろう

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綾川 遥希
2025-12-27 23:31:31 LogID: 19467

抱き寄せられて、また、こっちも、2人を抱き寄せて。

あなたのそんな言葉が、聞けてよかった。
顔なんかもう、あらゆる液体なんかでぐちゃぐちゃで。

私達のしたことが無駄じゃなかったと言ってくれて、ありがとう。

「……やりたいこと、何からしよう、ね…。

そう言う綾川の瞼は、すっかり腫れてしまって。

雨は、私も嫌いだった。

でも、今の雨はちょっと違って。

2人の優しい音以外でも、雨の優しい音だけが、耳にそっと、触ってきている。

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猫 でした
2025-12-27 23:24:14 LogID: 19452

……人というのは、こんなにも暖かいものでしたっけ
2人とも泣いていたはずなのに、今はこんなにも幸せそうで

「あの時はほんと、びっくりしたんですから」

でも、あれがあったこそ。
今こうして居れるわけで

雨は降る

雨は止んで、虹は出るのやら

雨だって言うのに、猫は嫌いにはなれませんでした

みんなで、楽しく生きていける世界線もあったのでしょうか。
今となっちゃ、どうでもいいですが

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綿積雫
2025-12-27 23:15:10 LogID: 19428

ギュッと2人を抱き寄せて。
ただ、お互いの感触を、息遣いを、涙の温もりを感じ取るのでした。

「今なら言えるっ……!こうして……目を覚まして話せてよかった……!」
「ちゃんと痛がれる自分で終われてよかったんだっ…………!」


雨が降っている。

今までで1番優しい雨。

最後もきっと、このくらい。

暖かい雨で溶け合えるんだろうな。

ああ、ずぅっとこうしていられれば良いのにな。

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猫 でした
2025-12-27 22:50:12 LogID: 19405

猫は、2人の話を聞いて
2人が同じようなことを思っているのを聞いて

「……なーんだ、それじゃあ
猫のわがままだったんですか」
クスッと、笑ってから。

「最後に、沢山話して
やり残したことして」

「みんな一緒に、せーので行きましょう」

最後に見せた笑みは
諦めや、壊れた訳でもなく

やけに幸せそうで、満たされたような
そんな 優しい笑顔 でした。

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綾川 遥希
2025-12-27 22:49:58 LogID: 19404

「うん、…うん…。」

しよう、やろう。まだ、まだ時間は、猶予はまだ、あるはずだから。
出来ることを、やりたいことを、目一杯やってからでも。何も、遅くは無いはずだから。
貴女を抱く腕が。少し強くなってから、緩まった。

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綿積雫
2025-12-27 22:47:35 LogID: 19401

「…………いいよ」
「一緒に……グスッ…………いよう、ね」

抱きつかれていた腕を優しく包んで、そっと撫でた。
痛いのが飛んでくように。
願いが叶いますように。

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綿積雫
2025-12-27 22:45:01 LogID: 19400

「…………もし、さ」
「もし全部終わる事にするなら……最後に一回、皆で楽しく過ごそうよ」
「……いっぱい話して、少ないけどご飯も食べて、撫でて、抱きついて、遊んで、それから…………せーので。一緒に、行きたい、な」

そんな、ささやかな最後の願い。

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綾川 遥希
2025-12-27 22:41:35 LogID: 19399

綾川は。
ただ、2人の、対話を、話を聞いて。

酷く安心した自分がいた。
…本当に、とても嫌になった。
最後まで、何とも卑怯で。ビビリで。
それでいて、生きることを諦めた、そのはずだったのに。

「……私も、さ。酷いこと言う、けど。帰れたって、死ぬだけなんだ…。」

それぐらいなら。2人と、ここで命を、散らしたい。

「……出来るならこのまま、そばにいて、欲しい…。」

ここへきて初めて、湧き出てきた感情。
これは、綾川の初めてのわがまま、だった。

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猫 でした
2025-12-27 22:31:48 LogID: 19396

「猫は猫らしく、意地汚く生きているだけです」
なんでも食べて、どこへだって行って
自然の中で強く……
そして汚く、泥水を啜るような惨めさでも

猫は生きてきたのです。

「……でも、ダメだった時は。
貴女と、貴方達と、幕を閉じましょう」

「二人と一緒なら、猫もまだ、納得いきます」

そうだけいって、コテンと体重を預けるように。

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綿積雫
2025-12-27 22:26:16 LogID: 19393

「……そっか」
「猫ちゃんは強い子だね……」

「僕はもう……痛みに呻く声も…………出ないんだよ」

擦り切れて、か細くなった声で。
あなたに優しく語りかける、諦念の調べ。

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綾川 遥希
2025-12-27 22:20:23 LogID: 19388

医者は、無力感と、悔しさで、涙が止まらないでいて。
自分が薄着なのも、忘れていて。

でも、続く貴女の声は。
…とても、温かい声で。

それでいて、そこに続いた、猫さんの返事は。
力強くて。とても、信念があって。
それが、余計に、辛い。あなたの気持ちを、私は踏み躙ってしまうかもしれないのに。
「そんなに、言ってくれたの。…2人が、初めてだよ…。」

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猫 でした
2025-12-27 22:15:15 LogID: 19385

「……猫は、ここから帰ったところで
待つ人も、大切な人もみんな死んでいます

「……特別でないから、悲しみも辛い過去もないからって
それがなんなんですか」
「猫は貴方達に会って、貴方達が
大切な人に、『特別な人』になってしまいましたから」

「貴方達だけでも、生きて欲しいんです」

猫が諦めないのは、自分のためではありません。
自分のことなんて、どうだっていいほどです。

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綿積雫
2025-12-27 22:07:37 LogID: 19384

「ね。もういいと思うんだ、猫ちゃん」
「僕はもう、ここでいいんだ」

「君に……君たちに巡り会えた事実だけで、もう」
「最悪はとっくに過ぎ去ってたんだ」

「僕の人生は……おそらく、きっと。なんの特別も無い恵まれたものだった」
「この場所にいる他の皆よりも……哀しみも苦しみも背負っちゃいないんだ」

「だから……こんな場所で幕を閉じるのも」
「…………悪くないなって思えるんだ」

「強がりじゃないよ……」

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綾川 遥希
2025-12-27 21:47:20 LogID: 19372

貴女の優しい、語りを聞いて。
思い出。それは、どうしようもなく、温かいもので。

結局涙は止まらないまま、ただ、2人のことを、見ていた。

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猫 でした
2025-12-27 21:44:15 LogID: 19370

「……ただいま、です」
それだけを、2人へ伝えてから。


その語りを耳に入れていて。

『みーちゃん』のことを聞いて

小さな白猫。
本来なら、この猫もそうであったはずだから

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綿積雫
2025-12-27 21:39:35 LogID: 19368

「……。」
「……………………。」

『……おかえり、なさい』

誰に。
何に。
どこに向けてすらかも定かではない。

この一瞬だけは、きっと十数年前の自分とリンクしたように思えて。

あぁ。
おかえりなさい。みーちゃん。

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綿積雫
2025-12-27 21:35:43 LogID: 19365

「思い出したんだ……昔のこと……」

ぽつぽつと。
語り出す。

「……初めは僕が見つけたんだ」
「ガードレールの下で鳴いてた、小さな白猫だった」
「父さんと母さんと一緒にお世話して……元気になるまで家にいて……」

「結局、僕のアレルギーが判明してからは……親戚の家で預かる事になったみたいだけど」
「……なんで、忘れていたんだろうね」

それはきっと、昨日と同じ。
優しい忘却だったのだろう。
昨日よりもずっと穏やかで。温かみのある。

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綾川 遥希
2025-12-27 21:35:24 LogID: 19364

「………おかえり

小さな声で、返事がありました。まだ、涙が止まらなくて。
拭って、拭ってみるけど、やはりダメで。
みっともないな、と。

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猫 でした
2025-12-27 21:33:37 LogID: 19363

「……戻りましたー」
いつも通りしっぽを揺らして
いつも通りやってきて
いつも通り……、ソファへと移動して

なんてことのないように振舞っています。
それでも、隠せない違和感はありますが。

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綾川 遥希
2025-12-27 21:17:54 LogID: 19355

それを聴きながら、ただ、黙って、ぎゅっとして、撫でて。
その、繰り返し。

何も、言えることがない。
何も、出来ることも、ない。

色んな気持ちを、受け止めるぐらいしか、できないから。

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綿積雫
2025-12-27 21:09:48 LogID: 19354

「僕は……もういいんだ」
「あの子に……猫に、もう一度触れられた」

「それだけで救われてたんだっ」
「忘れてた事を思い出させて……」
「みーちゃんにっ……もう一度会わせてくれた……!」

「それだけで……それだけでも。」
「こんな地獄に来れて良かったって…………そう思えるんだ……!」

自分でも何を言ってるかわからないまま。
ただ、あの子への感謝だけが、この絶望の部屋パンドラの箱の底に渦巻いていた。

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猫 でした
2025-12-27 21:03:00 LogID: 19351

廊下とロビーを繋ぐ位置
そこの物陰から、しっぽだけが出ていました。

……猫は、その話を聞いていました

そう、そうまで言われても。
猫はまだ、諦めきれていないようで。
……もはや、意地の領域かもしれません

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